ベニバナイチゴ(読み)べにばないちご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニバナイチゴ」の意味・わかりやすい解説

ベニバナイチゴ
べにばないちご / 紅花苺
[学] Rubus vernus Focke

バラ科(APG分類:バラ科)の落葉低木。茎は分枝して高さ1~1.5メートル、刺(とげ)はない。古い茎は黄色を帯びた褐色で、表面ははがれる。葉は3出複葉で革質、頂小葉は卵状菱(ひし)形または菱形状楕円(だえん)形。7~8月、新枝の先に紫紅色の5弁花を1個下向きに開く。集合果球状で黄赤色に熟し、食用となる。中部地方以北の本州、北海道南西部の、おもに日本海側の亜高山帯に分布する。北アメリカ原産で、食用にもなるサーモンベリーは本種に酷似するが、刺があるので区別できる。

[鳴橋直弘 2020年1月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のベニバナイチゴの言及

【キイチゴ(木苺)】より

…果実の内果皮が苦いニガイチゴR.microphyllus L.f.(イラスト)は,花弁は白色,果実は赤色である。花弁が暗赤色のベニバナイチゴR.vernus Fockeは,本州と北海道の高山に見られ,果実は赤く熟し,北アメリカのsalmonberryと最も似ている植物である。クマが食べるというクマイチゴR.crataegifolius Bunge(イラスト)は,全国いたる所の原野や山地に見られ,花弁は白色,果実は赤色である。…

※「ベニバナイチゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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