日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルガンサ」の意味・わかりやすい解説
ベルガンサ
べるがんさ
Teresa Berganza
(1933―2022)
スペインのメゾ・ソプラノ歌手。生地のマドリード音楽院で、エリーザベト・シューマンの弟子ローラ・ロドリゲス・デ・アラゴンLola Rodriguez de Aragon(1910―1984)に師事するなど多面的な音楽の勉強ののち、1954年から演奏活動を開始。1957年南フランスのエクサン・プロバンス音楽祭でオペラに初登場。美しい容姿と、明澄でつややかな声、細やかな表現により一躍有名になる。以後、世界の主要歌劇場でモーツァルト、ロッシーニを中心に歌い、1977年にはビゼーの『カルメン』もレパートリーに加えた。その一方、スペイン歌曲を中心としたリサイタルも、その芸術的完成度の高さでたたえられた。1992年バルセロナ・オリンピックの開会式でほかのスペイン出身歌手とともに登場、式典に花を添えた。1975年(昭和50)初来日。
[美山良夫]
『ピエール・マリア・パオレッティ著、南条年章訳『スカラ座の人』(1988・音楽之友社)』▽『ヘレナ・マテオプーロス著、岡田好恵訳『ブラヴォー/ディーヴァ――オペラ歌手20人が語るその芸術と人生』(2000・アルファベータ)』