日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルニー」の意味・わかりやすい解説
ベルニー
べるにー
François Léonce Verny
(1837―1908)
フランスの海軍技師。アルデシュのオブナに生まれる。パリの理工科大学校(エコール・ポリテクニク)卒業後、海軍造船学校を経て造船技師として海軍に入る。1864年中国へ赴任し開港場の寧波(ニンポー)で艦船建造に従事した。1865年(慶応1)に来日、徳川幕府の要請を受け、横須賀製鉄所(よこすかせいてつじょ)(のち横須賀造船所、第二次世界大戦まで横須賀海軍工廠(こうしょう))の計画立案から実際の建設指導、さらに経営にも首長として携わった。この間、フランス本国からの技術者派遣を斡旋(あっせん)し日本人への技術伝習に尽力した。1875年(明治8)の解雇後、同所顧問を経て翌1876年帰国した。海軍を辞したあとはサンテティエンヌの鉱山経営に力を注いだ。
[藤原恵洋・村松貞次郎 2018年8月21日]