ペルシャ庭園(読み)ペルシャていえん

世界遺産詳解 「ペルシャ庭園」の解説

ペルシャていえん【ペルシャ庭園】

2011年に登録された世界遺産(文化遺産)。イラン各地に点在する9つの庭園から成る。ペルシャの庭園文化は、キュロス大王がペルシャを征服した紀元前6世紀に起源を持つとされ、その特徴は、砂漠の地でありながら、水や植物を使っている点にある。9つの庭園は、キュロス大王の時代を起源とする様式を保ち、さまざまな気象条件に適応させながら発展してきた多様な様式を現代人に披露してくれる。ペルシャ庭園では、水が重要な役割を担っており、9つの庭園は、いずれも灌漑鑑賞の両方の役割をもつ水路によって4区画に分割されている。これは、かつてこの地で信仰されていたゾロアスター教で、エデンの園を示す空、大地、水、植物の4要素を分割して庭園に表現したものである。こうした庭園設計術は、スペインやインドにまで影響を与えたことが、アルハンブラ宮殿やタージ-マハル廟で確認することができる。これに加えて、さまざまな時代に築かれた建造物、パビリオン、周壁、灌漑システムなども文化遺産として高く評価されている。◇英名はThe Persian Garden

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android