普及版 字通 の解説
12画
[字訓] うつ・わずらわしい
[説文解字]
[字形] 会意
(さく)+廾(きよう)。を両手でもつ形。上に鑿歯(さくし)(鋸歯(のこぎりば))のついた木をもって撲(う)つ形。撲の初文。〔説文〕三上に「(とくほく)なり」とするが、語義が明らかでない。〔段注〕に、は煩、は〔孟子〕にいう僕僕、煩猥(はんわい)のさまで、とはわずらわしい意であろうという。鑿歯のある器で版築の土を撲つことを業といい、玉を刻むことを璞という。そのような行為を煩数(はんさく)とする意であろう。
[訓義]
1. うつ。
2. わずらわしい。
[部首]
〔説文〕に僕・(はん)をこの部に属し、〔玉〕も同じ。その前部に(さく)があり、「叢生の艸なり」とし、業・叢・對(対)の三字を属するが、は鑿歯のある器、を持つことを、撲つことを撲、版築することを業、版築に相対して撲つことを對、鑿器を以て草を刈り取ることを叢という。それならばこれらの字は、すべてを部首とすべき字である。は對のように、ことを両分する意であろう。
[声系]
〔説文〕に声として僕・樸・撲・など八字を収め、璞は〔玉〕にみえる。みな撲つこと、切り出して生地を作ることをいう。はおそらくその音であろう。声の字は、みなその声義を承ける。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報