日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホフマンスワルダウ」の意味・わかりやすい解説
ホフマンスワルダウ
ほふまんすわるだう
Christian Hofmann von Hofmannswaldau
(1617―1679)
ドイツのバロックを代表するマニエリスム(技巧主義)の詩人、劇作家。宮廷顧問官の子で、各国に遊学。大学卒業後故郷ブレスラウの市参事会員となり、外交官としても活躍。イタリア文学の影響を受け、グアリーニ『忠実な羊飼』を訳し、代表作は『訳詩集と詩集』(1673)。実直な日常のわりにウイットや比喩(ひゆ)、エロティシズムや柔軟な表現をよくし、ローエンシュタインに「偉大な牧羊神」と評された。母国語の洗練に努めたが、巧みな語呂(ごろ)合わせや奇想を含む誇張文体も完成させた。
[永野藤夫]