ローエンシュタイン(英語表記)Daniel Casper von Lohenstein

改訂新版 世界大百科事典 「ローエンシュタイン」の意味・わかりやすい解説

ローエンシュタイン
Daniel Casper von Lohenstein
生没年:1635-83

ドイツ・バロック時代の作家。とくにセネカとフランス古典主義演劇を範とした一連悲劇クレオパトラ》(1661),《ゾフォニスベ》(1680)等を著すが,いずれも過度の虚飾誇張,修辞的技巧,どぎつい写実性に満ちた作風のゆえに,その後2世紀にわたり,文学史上忘れられた存在となる。しかし近年,彼の錯綜した女性心理,歴史のとらえ方に関心が寄せられている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローエンシュタイン」の意味・わかりやすい解説

ローエンシュタイン
ろーえんしゅたいん
Daniel Casper von Lohenstein
(1635―1683)

ドイツの後期バロックを代表する劇作家、小説家。シュレージエンに生まれ、のちブレスラウ(ブロツワフ)市の法律顧問を務める。中近東帝政ローマ背景としたその作品は、盲目的激情爆発とそれを耐え抜く平常心との対比を描いて、しばしば残虐でエロティックな舞台効果を示している。『アグリッピーナ』(1665)、『ゾフォニスベ』(1680)など劇のほか、長編小説に『アルミニウス』(1689~90)がある。

[白崎嘉昭]

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