ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グァリーニ」の意味・わかりやすい解説
グァリーニ
Guarini, Guarino
[没]1683.3.6. ミラノ
イタリア・バロックの代表的建築家。本名 Camillo Guarini。数学者,神学者,テアチノ会の神父でもあった。 1639~47年にローマに滞在して F.ボロミーニの影響を受け,1660年にはメッシナ,1662年にはパリ,その後リスボンに滞在して聖堂建築に従事したが,そのいずれも今日失われている。 1666年以後トリノに定住。同地にパラッツォ・カリニャーノ (1679起工) ,サン・ロレンツォ聖堂 (1668~87) ,サンタ・シンドーネの礼拝堂 (1667~90) などを残す。それらの作品は,ドーム,アーチ,天窓,交錯するリブなどの極度に複雑な組み合わせと各所で巧みに対比させられた凹凸面により,幻惑的な効果を生み出している。著書に没後刊行された『公共建築論』 Architettura civile (1737) がある。
グァリーニ
Guarini, Giovanni Battista
[没]1612.10.7. ベネチア
イタリアの詩人,修辞学者。フェララのエステ家に仕え,T.タッソの友人であるとともに文学上の好敵手でもあった。2人で新しい文学ジャンルである「牧歌劇」をつくり上げた。主著『忠実な牧童』 Il pastore fido (1590) 。
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