グァリーニ(読み)ぐありーに(英語表記)Guarino Guarini

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グァリーニ」の意味・わかりやすい解説

グァリーニ
Guarini, Guarino

[生]1624.1.17. モデナ
[没]1683.3.6. ミラノ
イタリア・バロックの代表的建築家。本名 Camillo Guarini。数学者,神学者,テアチノ会の神父でもあった。 1639~47年にローマに滞在して F.ボロミーニの影響を受け,1660年にはメッシナ,1662年にはパリ,その後リスボンに滞在して聖堂建築に従事したが,そのいずれも今日失われている。 1666年以後トリノ定住。同地にパラッツォ・カリニャーノ (1679起工) ,サン・ロレンツォ聖堂 (1668~87) ,サンタ・シンドーネの礼拝堂 (1667~90) などを残す。それらの作品は,ドームアーチ天窓,交錯するリブなどの極度に複雑な組み合わせ各所で巧みに対比させられた凹凸面により,幻惑的な効果を生み出している。著書に没後刊行された『公共建築論』 Architettura civile (1737) がある。

グァリーニ
Guarini, Giovanni Battista

[生]1538.12.10. フェララ
[没]1612.10.7. ベネチア
イタリアの詩人,修辞学者。フェララのエステ家に仕え,T.タッソ友人であるとともに文学上の好敵手でもあった。2人で新しい文学ジャンルである「牧歌劇」をつくり上げた。主著『忠実な牧童』 Il pastore fido (1590) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グァリーニ」の意味・わかりやすい解説

グアリーニ
ぐありーに
Guarino Guarini
(1624―1683)

イタリア・バロックの代表的建築家。哲学者、数学者としても有名。モデナ生まれ。1639年テアチノ会の修道士となり47年までローマに滞在、神学や数学を学ぶ一方、ボロミーニの建築から強い影響を受ける。モデナ、メッシーナ、パリでいくつかの聖堂を設計したのち、66年ごろからトリノに定住、サボイ公に仕え、ミラノに没した。代表作はすべてトリノに残されており、トリノ大聖堂内のサンタ・シンドネ礼拝堂とサン・ロレンツォ聖堂は高度の数学的知識を駆使した複雑で幻想的な作品である。またパラッツォ・カリニャーノには、湾曲する正面部や卵形プランのサロンがみられ、きわめて動感に富んだ宮殿である。

[篠塚二三男]

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