知恵蔵 「ホリスティック教育」の解説 ホリスティック教育 知育、徳育、体育などを別々にせず、また、人間と自然界とのつながりを全体として重視することを理念とする教育の新しい考え方。人間は、1つの小宇宙としての全体的存在であるという人間観に立っている。近代の知育に偏重しがちな教育に対するアンチテーゼとして提起され、感情、意志、身体性を重視し、バランスの回復を図ろうとするもの。全体は部分の単なる総和ではないという考え方が基本。思想史的には、モンテッソーリーなどの教育が背景にあるが、1988年に『Holistic Education Review』という雑誌がカナダで創刊されたのを機に各国で注目されるようになった。日本では、日本ホリスティック教育協会という、森と人とのつながりを重視する組織もつくられている。 (新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by