日本歴史地名大系 「ホンケネタイ」の解説
ホンケネタイ
ほんけねたい
アイヌ語に由来する地名。河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入り標津村に包含された。仮名表記は「ホンケネタイ」「ホンケ子タイ」が多いが(「東行漫筆」「観国録」、「蝦夷日誌」一編など)、「ポンケ子タイ」(東行漫筆)もある。当地はクスリ(釧路)とシャリ(斜里)の領域境とされる。「東行漫筆」が記す「クスリよりシヤリ越の道筋」に「休みホンケ子タイ是よりシヤリ領分ニ成」とあり、「シヤリより出迎継送候由」とみえる。また「此所是迄昼所ニて、クスリ、シャリ之内より昼休所其度に取建候由ニ付、泊所新規取建可申旨」とある(文化六年四月一九日条)。「観国録」には「ケ子カワツカオイ、ホンケ子タイノ間ニ於テ始テ路右ニシベツノ上流ヲ得ル、此ニ至レハ既ニ地勢東低シテ東蝦夷ニ属スル形勢瞭然タリ」(安政三年八月二一日条)と記される。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報