北海道東部、オホーツク総合振興局管内の町。1939年(昭和14)町制施行。オホーツク海に面する小平野とその背後の斜里岳(1547メートル)、摩周カルデラ北麓(ほくろく)の山地、知床(しれとこ)半島の北西斜面からなる。JR釧網(せんもう)本線、国道244号、334号が通じる。1791年(寛政3)斜里場所が置かれ、サケ・マスを中心とする漁業開発が行われてきた。現在もサケ・マス、ホタテガイなどの漁が盛んで、斜里、ウトロ、知布泊(ちっぷどまり)の漁港がある。農業は1877年(明治10)以降に開拓が始まり、昭和初期には1000ヘクタールに及ぶ水田が造成されたが、冷害を受けて壊滅した。現在はジャガイモ、サトウダイコン、小麦、タマネギを主とする大規模畑作農業が行われ、製糖工場やデンプン工場もある。知床半島の北部は知床国立公園域で、知床五湖、カムイワッカの滝、カムイワッカ湯の滝、岩尾別温泉など観光資源に富み、ウトロはその観光基地。2005年(平成17)ユネスコの世界自然遺産に登録された。また、斜里岳周辺は斜里岳道立自然公園域。面積737.13平方キロメートル、人口1万1418(2020)。
[岡本次郎]
『『斜里町史』全2巻(1955、1970・斜里町)』
北海道東部,網走支庁斜里郡の町。人口1万3045(2010)。町域はオホーツク海に面する小平野とその背後の斜里岳,摩周カルデラ北麓の山地,知床半島の北西斜面からなる。1791年(寛政3)斜里場所が置かれ,サケ,マスを中心とする漁業開発が行われてきた。現在,斜里,宇登呂(うとろ),知布泊(ちつぷどまり)の漁港がある。農業は1877年以降に始まり,昭和初期には1000haに及ぶ水田も造成されたが,冷害を受けて壊滅した。現在はジャガイモ,テンサイを主とする大規模畑作農業が漁業と並び,酪農化も進行している。知床半島北部は,日本最後の秘境で,知床国立公園に指定され,宇登呂はその観光基地である。資金を全国に募り,国立公園内の離農跡地に植樹する自然保護運動(知床100m2運動)が有名。JR釧網本線が通る。
執筆者:岡本 次郎
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