日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボグダノービチ」の意味・わかりやすい解説
ボグダノービチ
ぼぐだのーびち
Ипполит Фёдорович Богданович/Ippolit Fyodorovich Bogdanovich
(1744―1803)
ロシアの詩人。ウクライナの貴族の家に生まれ、モスクワ大学に学ぶ。ヘラスコフの指導のもとに文学活動を始め、物語詩『二重の幸せ』(1765)、叙情詩集『竪琴(たてごと)』(1773)、物語詩『ドゥーシェンカ、自由詩による古き物語』(1783)、戯曲『スラブ人』(1787)などを書く一方、ボルテール、ルソー、ディドロなどの作品を翻訳した。代表作『ドゥーシェンカ』はラ・フォンテーヌの『プシケとキュピドン』に想を得たもので、当時ロシアで流行していた物語詩というジャンルの代表作でもあって、その後約半世紀にわたって広く読まれ、大きな影響を与えた。
[藤家壯一]