日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボッグス」の意味・わかりやすい解説
ボッグス
ぼっぐす
Wade Anthony Boggs
(1958― )
アメリカのプロ野球選手(右投左打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のボストン・レッドソックス、ニューヨーク・ヤンキース、タンパベイ・デビルレイズ(現タンパベイ・レイズ)で三塁手としてプレー。首位打者を5回も獲得し、「安打製造機」といわれた好打者である。
6月15日、ネブラスカ州オマハで生まれる。ヒルズボロー・コミュニティ短大から1976年、ドラフト7巡目指名を受けてレッドソックスに入団。同年を除いてマイナー・リーグで毎年打率3割以上の成績をあげながら、ポジションに空きができずなかなか大リーグ昇格のチャンスが与えられなかった。初昇格は7年目の1982年。規定打席には達しなかったものの、打率3割4分9厘をマークしてレギュラーの座を確保した。1983年に初の首位打者を獲得すると、85年から4年連続首位打者のタイトル。いずれも3割5分以上の高打率で、ナショナル・リーグで首位打者の常連だったトニー・グウィンと並び称された。1992年は故障の影響で初めて打率3割を切って2割5分9厘に終わったが、93年にヤンキースに移籍してふたたび4年連続3割をマークした。1994年と95年は念願だったゴールドグラブ賞を受賞し、96年にはワールド・シリーズ優勝を経験。1998年には創設されたばかりのデビルレイズに移り、99年を最後に現役を引退した。
18年間の通算成績は、出場試合2440、安打3010、打率3割2分8厘、本塁打118本、打点1014。獲得したおもなタイトルは、首位打者5回、最多安打1回、ゴールドグラブ賞2回。2005年に野球殿堂入り。
[山下 健]