日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ボンド((Thomas) Michael Bond)
ぼんど
(Thomas) Michael Bond
(1926―2017)
イギリスの脚本家、児童文学作家。イングランドのバークシャーに生まれる。第二次世界大戦で空軍に参加、戦後BBC放送のテレビ・カメラマンを務め、かたわらラジオやテレビに脚本を、雑誌に短編小説などを書く。1958年に初めて児童文学作品『くまのパディントン』を発表。クリスマスに玩具屋で売れ残りの縫いぐるみのクマを買い、妻に贈ったものを擬人化し、人間の子供の好奇心と活動性に富む性格を付与した「パディントン」のクマはたちまち人気を博す。続編が書き継がれてすでに70冊を超す。その人形などキャラクター商品の人気も高い。ほかにネズミのサーズディ、テンジクネズミのオルガ・ダ・ポルガなどを主人公にした児童文学の連作もある。
[吉田新一]
『山崎淑子・牧田松子訳『オルガ・ダ・ポルガ物語』第1~3(1976・冨山房)』▽『松岡享子訳『くまのパディントン』『パディントンのクリスマス』『パディントンの妙技公開』など「パディントン・シリーズ」7冊(1977~1989・福音館書店)』