日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーメ」の意味・わかりやすい解説
ボーメ
ぼーめ
Antoine Baumé
(1728―1804)
フランスの化学者。サンリスの宿屋の息子。15歳で薬種店に徒弟入りし、のちにパリのジョフロアClaude Joseph Geoffroy(1685―1752)に化学と薬学を学ぶ。1753年薬品製造所をもつ薬局を開き、大量の医薬や化学薬品、また、産業用・実験用器具を供給した。二つの定点をもつ浮き秤(ばかり)のボーメの比重計(1766)はアルコール濃度決定のために考案され、広く用いられた。現在の比重単位のボーメ度は彼の名にちなむ。ワイン蒸留装置の考案で賞を得ている。化学の講義も行うが、化学理論に関しては、親和力やフロギストン概念を保持した古いタイプに属する。
[肱岡義人]
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