ポアソン過程は電話のコール待ちのように,ランダムな現象の起こるのを待っている場合で,ある時点以前の経過は未来の生起に影響を与えずかつ時間的に一様に推移する現象の数学的記述と考えられる。それは連続時間変数tをもつ確率過程X(t,w)(t≧0)で,現在の時刻をtとしたとき,h>0に対しX(t+h)-X(t)は過去X(s)(s<t)と独立でかつ平均値λhのポアソン分布に従うものである。したがってその見本関数(観測回数をtの関数とみたもの)は跳びが1の単調非減少な階段関数である(図)。
このようなポアソン過程はまた次のようにも考えられる。密度関数がλe⁻λt(t≧0)の指数分布に従う独立な確率変数列をX0,X1,X2,……とする。それらの部分和Sn=X0+X1+……+Xnをとる。いま,X(t)をS0≧tのとき0とし,S0<tのときSk-1≦t<SkならX(t)=kとする。こうして得られるX(t)は上記のポアソン過程になっている。こうしてk回目の待ち時間をあらわすのがXk-1で,それが指数分布に従うものであることがわかる。
執筆者:飛田 武幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…確率過程{Xt(ω)(t=0,1,2,……)}は原点から出発するランダムウォークの模型である。 例2 確率過程{Xt(ω)(t≧0)}があって,X0(ω)=0であり,t,s(t>s)を任意にとるとき,Xt(ω)-Xs(ω)の分布がポアソン分布で,となるならば,{Xt(ω)}をポアソン過程という。時刻0からtまでの間に起きるある種の交通事故の件数をXt(ω)とするとき,{Xt(ω)}がポアソン過程とみなされる場合がある。…
※「ポアソン過程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新