ポアソン過程(読み)ポアソンカテイ(その他表記)Poisson process

デジタル大辞泉 「ポアソン過程」の意味・読み・例文・類語

ポアソン‐かてい〔‐クワテイ〕【ポアソン過程】

ランダム発生する事象を、確率変数を用いて記述したもの。確率過程一つ。故障・災害の発生、店舗への来客電話の着信、タクシーの待ち時間などの事象のモデル化に用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ポアソン過程」の意味・わかりやすい解説

ポアソン過程 (ポアソンかてい)
Poisson process

ポアソン過程は電話のコール待ちのように,ランダムな現象の起こるのを待っている場合で,ある時点以前の経過は未来の生起に影響を与えずかつ時間的に一様に推移する現象の数学的記述と考えられる。それは連続時間変数tをもつ確率過程Xtw)(t≧0)で,現在の時刻をtとしたとき,h>0に対しXth)-Xt)は過去Xs)(st)と独立でかつ平均値λhポアソン分布に従うものである。したがってその見本関数(観測回数をt関数とみたもの)は跳びが1の単調非減少な階段関数である(図)。

 このようなポアソン過程はまた次のようにも考えられる。密度関数がλeλtt≧0)の指数分布に従う独立な確率変数列をX0X1X2,……とする。それらの部分和SnX0X1+……+Xnをとる。いま,Xt)をS0tのとき0とし,S0tのときSk-1tSkならXt)=kとする。こうして得られるXt)は上記のポアソン過程になっている。こうしてk回目の待ち時間をあらわすのがXk-1で,それが指数分布に従うものであることがわかる。
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世界大百科事典(旧版)内のポアソン過程の言及

【確率過程】より

…確率過程{Xt(ω)(t=0,1,2,……)}は原点から出発するランダムウォークの模型である。 例2 確率過程{Xt(ω)(t≧0)}があって,X0(ω)=0であり,t,s(ts)を任意にとるとき,Xt(ω)-Xs(ω)の分布がポアソン分布で,となるならば,{Xt(ω)}をポアソン過程という。時刻0からtまでの間に起きるある種の交通事故の件数をXt(ω)とするとき,{Xt(ω)}がポアソン過程とみなされる場合がある。…

※「ポアソン過程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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