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電話 でんわtelephone; telephony

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電話
でんわ
telephone; telephony

音声を電気信号に変えて伝送する通信方式(→電気通信)。1837年,アメリカ合衆国のチャールズ・ページが磁気による音声伝達原理を発見,1876年,アレクサンダー・グラハム・ベル磁石式電話を発明して実用化された。電話は,(1) 人間の声を電流に変える送話装置,電流の変化を音に変える受話装置,(2) 電話の信号を送る装置(通信線。→ケーブル),(3) 相手方と接続する交換装置などから構成される。(1)は炭素粒の電気抵抗の圧力変化を用いた送話器と,電磁石の振動を利用した受話器からなる。(2)は平衡ケーブル,同軸ケーブルマイクロ波による回線などがある。(3)には手動式と自動式の交換機があったが,日本では 1978年までに全国自動化された。また電話の種類には,加入電話,公衆電話,列車電話,船舶電話自動車電話,国際電話,警察通信の全国電話網,航空,海上保安,新聞通信用の無線電話などがある。日本では 1890年に東京―横浜間で最初の電話サービスが始まった。1926年自動交換方式に対応したダイヤル式電話機が導入され,1969年から押しボタン式電話機(プッシュホン)が使われ始めた。移動可能な電話は,1979年に自動車電話サービスが開始され,1985年には自動車電話を自動車から取り外して持ち運べるようにしたショルダーホンが登場,1987年,初の携帯電話が発売された。

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デジタル大辞泉の解説

でん‐わ【電話】

[名](スル)
電話機を用いて通話すること。「電話をかける」「電話に出る」「自宅に電話する」
電話機。また、電話回線。「電話を引く」「公衆電話」「携帯電話

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百科事典マイペディアの解説

電話【でんわ】

音声による情報を電気信号に変え,有線または無線により伝送,もとの音に再生通話する通信方式。1876年A.G.ベルの発明した電話機により一般化される。送話器受話器を電話線が結び,中間の電話局で電話交換機がこれを選択接続する。
→関連項目双方向通信電話機

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就活用語集(就活大百科 キーワード1000)の解説

電話

電話は、顔が見えないだけに受け応えの仕方が重要です。特に敬語を使うのに慣れないうちは、自分が話す内容ノートに全部書いておき、それを見ながらしゃべるとあわてずに済みます。企業に電話をかける場合には、時間帯にも気を遣いましょう。避けたいのは相手が休憩中のお昼休み(一般的には12時から1時の間)と、忙しい時間帯である始業直後、終業間際、月曜日の朝、金曜日の夕方です。相手の都合が悪く、長く話せないときは、「いつ電話すればよいか」「代わりにメールで問い合わせてもよいか」など、相手と確実に連絡がとれる方法を確認してから電話を切るようにしましょう。また、電話をかける時は必ずメモとペンを用意し、メモをとりながら聞く習慣を身につけましょう。その際、重要な説明会の日時や連絡先などを知らされたときは、「もう一度確認させていただきます」と断って、内容を復唱すること。ビジネスの世界では復唱することは常識なので、遠慮をすることはありません。なお、自分からかける場合は携帯電話はなるべく使わないこと。企業からかかってきた場合も、電波の状態が悪く聞き取りにくければ、公衆電話などから折り返しかけ直す機転が必要です。

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デジタル大辞泉プラスの解説

電話

アメリカの作曲家ジャン・カルロ・メノッティの英語による全1幕のオペラ(1947)。原題《The Telephone》。

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世界大百科事典 第2版の解説

でんわ【電話 telephone】

現在,日本では約7000万台の電話機が使われており,これらは約5000局の電話交換機と有線,無線の多数の電話伝送システムによって相互に接続されている。世界全体には7億台に近い電話機が存在し,これらは国際回線網によって結合されて電話網と呼ばれる巨大な電気通信ネットワークを構成している。電話網は,その電気通信端末としての電話機,会話情報を遠方に伝達するための通信伝送路,相手電話機までの接続経路を選んで接続を行う電話交換機の3要素から構成されている。

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大辞林 第三版の解説

でんわ【電話】

( 名 ) スル
電話機で通話すること。また、その通話。 「 -をかける」 「 -して問い合わせる」 〔1876年アメリカのベルが実用化に成功。日本の電話事業は明治以降国営であったが、第二次大戦後、国内通話は日本電信電話公社(のち民営化)、国際通話は国際電信電話株式会社が運営。1985年(昭和60)電気通信事業法の制定により、独占的運営が終了し、競争原理が導入された〕
「電話機」の略。 「 -をとる」 〔英語 telephone の訳語。「郵便報知新聞」(1891年)にあるのが早い例〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電話
でんわ
telephone

電気通信の一種。音声を電気的信号に変え、離れた場所に伝達し、これをふたたび音声に戻して相互に通話できるようにした通信手段をいう。

電話の発明

音を物理的方法で伝達しようとする研究は相当古くから行われていたが、それらは、糸や棒の両端に振動板をつけ、一端で受けた振動を機械的に他端に伝えるものであったため、実用化には至らなかった。電流によって音声を伝える現今の電話方式は1837年アメリカのページCharles George Page(1812―1868)が原理を発見、これに基づきフランスのブールスールCharles Bourseul(1829―1912)が1854年に音声による可撓(かとう)振動板の振動を利用する着想を発表した。ドイツのライスJohann Phillip Reis(1834―1874)は1861年にこの着想による実験を行い、電話の実現に向けて一歩を進めた。
 このような研究をベースにして、実用的な電話機の発明は、1876年3月にアメリカのグラハム・ベルによって成し遂げられた。ベルの電話機は、音波振動にしたがった電流変化をつくりだし、その電流変化を伝えることによって音声を伝えるという方式であった。最初の実験で、助手のワトソンに話した“Mr. Watson, come here, I want you”(ワトソン君、用があるからちょっと来たまえ)は、電話機を通じた人類最初のことばとして有名である。ベルはそれまでの学問的な研究の域を脱し、電話の実用化を進めた点で「電話の父」とよばれている。ベルの製作した最初の電話機は、電磁石の前に振動片を置いた構造であり、受話・送話とも同じものが用いられた。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

日本の電話の沿革

ベルの発明した電話機は、発明の翌年の1877年(明治10)に早くも2台が日本へ輸入され、赤坂御所内の宮内省と赤坂溜池葵(ためいけあおい)町の工部省との間2キロメートルで実験が行われた。これが日本における電話の始まりである。最初は主として警察が電話を取り上げて、1878年ごろから東京、横浜、大阪などで官庁・警察の通信に利用された。1883年には交換機を使った官庁電話の交換が始まり、1890年には初めて東京、横浜において一般の電話交換業務が開始された。当時の電話加入数は東京が155加入、横浜が42加入の計197加入であった。その後、電話の便利なことがわかり、加入者は次々と増えて1892年には1500加入となった。1943年(昭和18)には108万加入まで増加したが、第二次世界大戦により減少し終戦時には46万加入にまで減少した。その後、戦後の復興に伴い日本電信電話公社(現、NTT)発足時の1952年(昭和27)に155万加入であったものが、1968年には1000万加入、1972年には2000万加入、1975年には3000万加入、1985年には4500万加入、さらに1996年(平成8)にはNTTの電話加入数としては最大の6130万加入に達した。それ以降は、ISDN、携帯電話あるいはインターネットなどの新サービスへの移行によって電話加入数は減少を続けている。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

電話を接続するための設備

電話を接続するための設備は、電話機、交換機、交換機相互を結ぶ伝送路、交換機と電話機を結ぶ加入者線の四つに大きく分類される。このうち伝送路については、使用する伝送媒体により、(1)有線(現在ではほとんどが光ファイバーケーブル)伝送、(2)地上無線伝送、(3)衛星通信の3種類があるが、伝送容量の大きい有線伝送が主体となっており、現用システムの故障や非常災害時の代替用として地上無線伝送や衛星通信が使われている。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]
電話機
ベルの電話機をもとに国産第1号の電話機が1878年(明治11)に製造されたが、その音声はすこぶる微弱であって、1883年には製造が中止された。イギリスのガワーFrederick Allen Gower(1851―1885)が1879年に発明した送話器とベルの電話機を組み合わせたガワーベル電話機が1887年にイギリスから輸入された。この電話機が東京―熱海(あたみ)間で行われた通話実験で好結果を出したため、1890年に電話交換業務が開始されたときにはこのガワーベル電話機が使われた。1896年には、ハンドルを回すデルビル磁石式壁掛電話機が、また1899年には長距離通話用のソリッドバック磁石式壁掛電話機が登場した。その後、手動交換方式から自動交換方式へ移行するのに伴い、ダイヤル式の電話機が登場した。1927年(昭和2)には2号自動式卓上電話機、1933年には3号電話機、1950年(昭和25)には4号電話機が実用化され、さらに1962年には600形電話機が実用化されて回転ダイヤル式電話機として完成の域に達した。また、1969年に登場したプッシュ式の電話機は、コンピュータへのアクセスを可能とし、電話機からの自動予約など電話サービスの多様化への道を開いた。現在では、電話機とインターホンやファクシミリを組み合わせたり、コードレス機能を付加したりすることで多種多様な機能、デザインをもった電話機が普及している。
 一方、公衆電話は、1900年に新橋と上野に磁石式公衆電話機が設置されたのがその始まりである。当時の公衆電話は、交換手に通話接続を依頼し、硬貨を投入したときの音を交換手が聞いて判断するものであった。50年間ほどは、このような方法であったが、1953年に10円硬貨を自動識別する4号自動式公衆電話機が実用化された。また、卓上形のものを赤電話、ボックス形のものを青電話として使い分けされるようになった。現在は、日本ではカード式公衆電話(緑色)、カード式ISDN公衆電話(グレー)が広く普及しているが、海外ではIC(集積回路)カード式公衆電話が普及している。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]
交換機
日本における交換機は、1890年に東京と横浜を結んだ磁石式交換機がその始まりである。この最初の交換機は電話交換手が接続する手動交換機であった。その後、大量の通話を迅速、正確に接続するため、交換機は自動交換機へと移り変わった。初期の自動交換機はステップ・バイ・ステップ交換機と称する方式であり、日本では1926年に京橋電話局に最初に導入された。1950年代前半からはクロスバー交換機、さらに1972年からは制御系にコンピュータを用いる電子交換機が導入された。1982年からはデジタル交換機の導入によって、多機能化と高信頼化が進んだ。日本では1997年(平成9)12月に、電話用の交換機はすべてデジタル交換機に置き換えられた。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]
伝送路
交換機相互間の電話回線を多重化して経済的にかつ一定の品質で結ぶ設備が伝送路である。アナログ回線の多重化には、3.4キロヘルツの帯域をもつ電話1回線の信号を4キロヘルツごとの周波数間隔で配列する周波数分割多重(FDM=frequency division multiplexing)とよばれる方式が使われてきた。デジタル回線の多重化には、電話1回線の音声信号を符号化した64キロビット/秒の符号列を8ビット単位に順次配列してゆく時分割多重(TDM=time division multiplexing)とよばれる方式が使われている。デジタル伝送路は、日本では1960年代の初めから導入され始めたが、1997年12月には交換機とあわせてすべての伝送路はデジタル化された。
 有線伝送路としては、最初は裸線(むき出しの銅線)によるものであったが、その後、無装荷ケーブル(1932)、同軸ケーブル(1956)へと順次広帯域のケーブルを用いることによって、多重数を増加させてきた。1970年代には、同軸ケーブルを用いてアナログ方式では1万0800回線の多重伝送、デジタル方式では5760回線の多重伝送が実用化された。1981年には、光ファイバーケーブルが最初に導入され、当初は100メガビット/秒(電話1440回線相当)であったが、1995年には10ギガビット/秒(電話13万回線相当)のデジタル伝送が実用化されている。今日の光通信は、時分割多重とあわせて多数の波長を用いる波長分割多重(WDM=wavelength division multiplexing)を併用しており、1本の光ファイバーで数テラビット/秒の伝送路が実現されている。
 地上無線伝送路としては、4ギガヘルツ帯のマイクロ波を用いて1954年に東京、名古屋、大阪で実用化されたのが始まりである。このときの伝送容量は1システム当り360回線であった。その後、2ギガヘルツ帯(1957)、6ギガヘルツ帯(1961)、11ギガヘルツ帯(1961)、15ギガヘルツ帯(1967)と相次いで新しい周波数帯が開拓された。4ギガ、5ギガ、6ギガヘルツ帯は長距離伝送用として1990年代まで広く使われてきたが、光ファイバーケーブル伝送路が全国的に導入されたことで、2000年ごろ以降はその役割を終えている。また2ギガ、11ギガ、15ギガヘルツ帯は中・短距離伝送用に、さらに20ギガヘルツ帯は主として短距離用として用いられている。
 国内の衛星通信による電話については、1983年に通信衛星CS-2を用いてサービスが開始され、離島や災害時の通信確保をおもな目的とした。その後、1988年からはCS-3を用いて、地上ネットワークの混雑時に迂回路として衛星通信を利用する新たな用途を加えた。1995年にはN-STAR(エヌスター)衛星が打ち上げられ(1996年より商用サービス開始)、従来の用途に加え、日本の近海を航行する船舶などを対象とした移動通信用の回線としても利用されるようになった。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]
加入者線
交換機と電話機をはじめ各種の端末とを結ぶ部分が加入者線であり、携帯電話の場合には無線の基地局が必要であり、従来の電話の場合には、通信ケーブルおよびケーブルの敷設に必要な電柱、地下管路、マンホールなどが必要である。初期の段階は裸線によるものであったが、1893年より風水害等に強く、多数の銅線を収容できるケーブルが用いられるようになった。現在では絶縁物にはプラスチックが使用されており、最大の対数(1対は銅線2本)としては3200対のケーブルが用いられている。さらに、2000年代に入ってからは光ファイバーケーブルの敷設も急速に進められている。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

電話の種類

(1)単独電話 電話局との間に設置された電話回線を1人の加入者が使用する電話。
(2)共同電話 1本の電話回線を2人以上の加入者が共同で使用する電話。申し込んでもなかなか電話がつかない時代に、少ない設備で多くの加入者に電話機を設置するために用いられてきたが、1人の加入者が話し中のとき別の加入者は利用できないという欠点がある。日本では全廃することが決まっており、新規申込みは受け付けられない。
(3)ボタン電話 正式名は簡易電話交換装置。小規模な事業所やオフィスで1~数回線の加入電話回線を事業所内の多数の電話機から随時あいている回線を押しボタンで選んで利用できる電話で、広く普及している。
(4)構内交換電話(PBX) 電話局からの一般加入電話回線および加入者宅に設備される交換設備と、その交換設備に接続される内線電話機から構成される。構内交換電話は、主として事業所において多数の内線電話が必要な場合に利用される。以前は外からの通話に対しては交換手を介して手動で接続されていたが、日本では1989年からサービスの始まった1.5メガビット/秒のISDNを用いて内線への自動接続ができるPBXダイヤルインが普及している。
(5)ビル電話 正式名は事業所集団電話。大きなビルなどにおいて、集団的な電話需要がある場合に設備されるもので、電話局の交換機とは別のビル電話用の交換機または多重化装置を設置してビル内の電話機を接続する。
(6)公衆電話 街頭、店頭その他の場所に設置され、だれでも利用できる電話。公衆電話は、街頭専用の青電話(10円硬貨のみ使用可)から始まったが、現在はテレホンカードと併用できる緑色およびグレーの電話にかわっている。ほかに、店頭専用の赤電話、100円・10円硬貨併用の黄電話があったが、現在は使われていない。
 このほか、列車公衆電話、船舶公衆電話、自動車公衆電話などがある。航空機公衆電話もあったが、2003年度(平成15)末にサービスが終了した。なお、一般の単独電話ではあるが、店頭等において客が利用できるようにしたピンク電話も公衆電話の機能をもつ。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

通話の種類

(1)区域内通話 単位料金区域内相互の通話であり、距離のいかんにかかわらず一律3分ごとの従量制料金となっている。単位料金区域とは、行政区画、通話の交流状況からみておおむね一体とみられる地域で、通常そのなかに数個ないし10程度の市町村を含んでいる。
(2)区域外通話 単位料金区域相互間の距離が長くなるにつれて10円で通話できる秒数が逐次短くなるように定められている。この区域外通話については、事業者によって夜間割引、深夜割引、および土曜・休日割引など多様な割引制度が提供されている。
(3)国際通話 国際通話には、利用者が直接相手国利用者をダイヤルして接続する自動通話と、オペレーターを介して接続する半自動通話(発信国のオペレーターのみ介在)および手動通話(発信国と着信国双方のオペレーターが介在)がある。その料金は、自動通話は6秒ごとに課金され、半自動通話および手動通話は最初の3分以降1分ごとに課金されるのが普通である。事業者や地域によっては、夜間割引および休日割引など多様な割引制度がある。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

いろいろな電話サービス

電話をいっそう便利に使うため、各種のサービスが行われている。おもなものは次のとおりである。
(1)プッシュホン 押しボタン式の電話機である。数字および記号(*、♯)によるデータ送信機能を用いて、銀行の預金残高照会、新幹線の列車座席予約などを行うことができる。
(2)ホームテレホン 電話回線1回線で電話機4台まで設置でき、どの電話機からでも発着信できる機能のほか、転送機能、相互通話機能、インターホンとの接続などの機能を付与した電話機である。
(3)ビジネスホン ボタンの操作により2個以上の電話機について電話回線の共通利用、電話機相互間の内部通話、通話中の回線保留などができる。ビジネスホンは交換手も交換室も不要であり、手軽でかつ費用が低廉であることから、簡易な手動交換装置として、またPBXやビル電話のサブシステムとして広く利用されている。
(4)キャッチホン 通話中に第三者からの着信があった場合に、電話機のフックボタンを押すことにより、先の通話を保留したまま第三者と通話ができるもので、話し中の多い加入者に便利に使われている。
(5)でんわばん 不在時や終業時に電話がかかった場合、発信者に対し、不在の事実や理由、または連絡先電話番号を自動的に案内する。
(6)転送電話 不在中に着信する電話をあらかじめ指定した別の電話番号へ自動的に転送する。
(7)留守番電話 不在中に着信があった場合、不在の旨を告げたのち相手の用件を自動的にテープ等に録音する。
(8)二重番号サービス 忙しいときや就寝時など必要な電話以外は受けたくない場合、あるいはいたずら電話の対策に役だつもので、一つの電話機に対して通常の電話番号のほかにもう一つの電話番号(裏番号)を付与し、裏番号は近親者など特定の人以外は知らせないことにしておく。
(9)料金着信払通話サービス(コレクトコール) 外出先などから自宅や会社への通話を、発信側に課金せずに手動接続により着信者の同意が得られると着信側に料金を負担させる。
(10)着信課金サービス(フリーダイヤル) 特定の電話機に対するダイヤル通話について、これにかかわる料金を着信側で負担するサービスであり、通信販売会社等が料金を負担して消費者などからの商品注文等に応じたいという場合などに用いられている。日本では〈0120〉から始まる特殊番号を用いているため、0120番サービスともよばれる。アメリカ、カナダをはじめ局番に〈800〉番を用いている国々では、同様に800番サービスとよばれる。
(11)クレジット通話サービス 通話料金の請求先としての加入電話をあらかじめ契約しておき、出張先などで行った通話の料金をその加入電話に課金するものであったが、このサービスは2010年度末に廃止された。
(12)電話会議サービス あらかじめ登録された会議招集者が他の会議参加者を呼び出すことにより、最大30人の音声会議ができるものである。また、これと同様なサービスに、一般加入者を対象とした「三者通話サービス」がある。
(13)福祉用機器 ひとり暮らしの高齢者や身体障害者が緊急ボタンを押すことにより特定の連絡先を呼び出せる「あんしん」、聴覚障害者用に相手の声を大きくできる「めいりょう」、相手の声を頭部の骨に伝え、その振動で聞く「ひびき」などがある。
 これらのサービスは、今後はさらに多様化すると予想される。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

ネットワークのデジタル化

日本における電話サービスは1890年(明治23)に開始され、以来サービスの全国的な拡大がなされたが、第二次世界大戦によりほとんどの機能を失った。戦後荒廃のなかから復興が行われ、官営事業から公共企業体に変わった日本電信電話公社(現、NTT)により、6次にわたる電信電話拡充5か年計画が実施された結果、電話加入数は急速に伸びて、1977年(昭和52)には「積滞(加入申込みをしてもすぐ電話がつかない状態)解消」が達成され、1979年には「全国ダイヤル自動即時化」が達成された。電話の故障率は、1953年には100加入当り1か月に19件もあったものが、1984年には0.47件まで減少し、信頼性が大幅に向上している。また、1997年(平成9)には電話ネットワークのデジタル化が完成して、通話品質の遠近差がまったくないきわめて良好な通信環境が実現された。
 携帯電話(PHSを含む)は1990年代のなかばから急速に普及し、2010年には1億2000万加入を超え、いまや電話は全国どの地域のだれとでもいつでも話せる通信手段として日常生活に欠かせない存在となっている。また、社会の情報化の急速な進展に伴って、音声通信に加えて、ファクシミリ通信、インターネットなど、新しい通信サービスが普及し、さらに通信回線のブロードバンド化により映像通信やマルチメディア通信が自在にできるようになってきた。
 1970年代までの通信網(ネットワーク)は、主としてアナログ技術に頼っていたため、通信サービスごとに独立したネットワークをつくる必要があった。1980年代に広く普及したデジタル技術は、種々の情報をいったんデジタル信号に変換してしまうと共通的に扱うことができることから、種々のサービスに共通に使える統合サービスデジタル網(ISDN=integrated service digital networkの略称)の構想が生まれ、1980年代の終わりにはこれが実現した。NTTでは、1984年9月から1987年3月まで東京の三鷹(みたか)市・武蔵野(むさしの)市においてINS(Information Network System)モデルシステムとよばれるISDNの実験を行い、1988年4月よりINSネットサービスとして提供している。
 一方、1990年代に入ると、大学、研究機関などを中心にインターネットの利用が急速に広がり、一般的な利用へのニーズも高まってきた。このようなニーズにこたえて、日本では1993年(平成5)7月から第二種電気通信事業者(回線設備を自前で保有しない通信事業者)により、1996年12月からは第一種電気通信事業者(NTTなどの回線設備を自前で保有する通信事業者)によるインターネット接続サービスが開始された。インターネットの普及に伴い、ブロードバンド化への要求が高まり、2000年ごろよりまずCATV(ケーブルテレビ)による毎秒数メガビットの高速インターネット、次にADSL(asymmetric digital subscriber line=非対称デジタル加入者回線)が普及した。さらに、2001年から日本が世界に先駆けて始めたFTTH(fiber to the home=光ファイバー加入者線)が普及し、2010年には約2000万加入にまで達している。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

INSネットサービス

(1988年~)音声による通信のほかに、ファクシミリやデータ・映像などの情報をデジタル回線によって高品質でしかも経済的に送ることができるISDNの国際標準に準拠した、NTTによるデジタル・ネットワークサービスである。最高速度が電話2回線分に相当する128キロビット/秒の「INSネット64」サービスと、電話23回線分に相当する1.5メガビット/秒の「INSネット1500」サービスがあるが、「INSネット64」サービスが一般的である。2001年3月には1000万を超える加入者数に達したが、その後は減少している。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]

インターネット接続サービス

(1993年~)世界中のインターネットへの接続サービスを一般ユーザーに対して定額かつ安価な料金で提供するサービスである。インターネット接続サービスは、電話やINSネットサービスと違い、次のような特徴をもっている。
(1)パケットネットワーク コンピュータ通信であるため、コンピュータから出てくるデータのかたまりに行き先などの制御情報をヘッダとして先頭につけたパケットを単位として、情報を伝達するネットワーク。回線ネットワーク
(2)ベストエフォート型 伝送品質の保持には最大限努力するが、保証はしない。しかし、その分通信料金が割安に提供される。ギャランティー型
(3)コネクションレス型 あらかじめ電話のように通信相手に対する回線を確保する手順を経て実際の情報伝達(通話)を始めるのではなく、必要に応じて適宜情報伝達を行う。コネクション型
(4)常時接続 電話機は通常は交換機からは切り離されており、すなわちネットワークには接続されておらず、通信を行うときだけ接続されるが、インターネットでは通信端末がつねにネットワークに接続されている状態が基本となっている。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]
電気通信事業者
日本の電信電話事業は創業以来つねに国の事業として運営されてきた。しかし、第二次世界大戦後の荒廃から復興するには、国営では、産業、経済、社会の進展や国民の需要への対応や効率のよい事業運営はむずかしかった。そこで企業的な経営体制を導入することで、設備の整備拡充、国民の利便の確保などを図ることとし、事業運営形態を電気通信省から公共企業体に変更することとなり、1952年(昭和27)に日本電信電話公社(電電公社)が発足した。また、翌1953年には国際電信電話株式会社(KDD)が発足し、国際電信電話業務は民営で行われることとなった。
 さらに1985年4月の法改正により、電気通信事業は自由化された。従来の日本電信電話公社は日本電信電話株式会社(NTT)となって民営化し、NTT、KDD以外にも新たな電気通信事業への参入が可能となった。新規参入業者のうち、自ら回線設備を所有し電気通信事業を行う事業者を第一種電気通信事業者という。1985年4月に参入計画のトップをきった第二電電(DDI)をはじめ、国鉄(現、JR)系の日本テレコム、建設省(現、国土交通省)・日本道路公団系の日本高速通信など5社が第一種電気通信事業の許可を得た。
 第一種電気通信事業者から回線設備を借用して電気通信事業を行う事業者を第二種電気通信事業者という。その後2004年度からは第一種、第二種という区分をやめ、許可制を廃止して登録・届出制に変更された。登録事業者は従来の第一種のうち一定規模以上のもの、第一種のうち小規模のものと第二種は届出事業者に区分されるようになった。2010年4月1日時点で登録事業者は323事業者。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモなどのほかに、ソフトバンクテレコム、KDDI(2000年10月にKDD、DDI、日本移動通信が合併して成立)などの長距離系のほか、地域系、国際系、衛星系、移動体系、CATV系がある。また、届出事業者は同1万4927事業者である。[坪井 了・永井徹郎・三木哲也]
『日本電信電話公社編『電信電話事業史』(1959・電気通信協会) ▽川中徳重編『電気通信年鑑1983』(1983・さんちょう株式会社) ▽日本電信電話株式会社編『日本電信電話公社社史』(1986・情報通信総合研究所) ▽情報通信総合研究所編・刊『情報通信ハンドブック2002年版』(2001)』

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世界大百科事典内の電話の言及

【通話品質】より

…電話伝送の目的は,会話の内容を相手に明りょうに伝達することである。この会話のよく聞こえる度合を数量化したものが通話品質である。…

【電気通信】より

…例えば電信機は1829年にロシアのシリングP.L.B.Schilling(1786~1837)により実現されており,静止画像を伝送するファクシミリの原形は43年にイギリスのベインAlexander Bain(1810‐77)が発明し,基礎的な実験も行われていた。電話についてはその原理を54年にベルギーのブールサールCharles Bourseul(1829‐1912)が提案し,61年にはドイツのライスJohann Phillip Reis(1834‐74)が実験を行っている。
[電信の始まり]
 電気通信の実用化は電信から始まっている。…

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俗に、一般的・伝統的でない漢字の読み方や、人名には合わない単語を用いた、一風変わった名前のこと。名字についてはいわない。どきゅんネーム。[補説]名前に使用する漢字は、戸籍法により常用漢字・人名用漢字の...

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