日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポズナニ事件」の意味・わかりやすい解説
ポズナニ事件
ぽずなにじけん
1956年6月にポーランドのポズナニで発生した暴動。同国では第二次世界大戦後のスターリン主義政治と重工業化強行政策に対する市民の不満が高まり、56年2月のスターリン批判後それが爆発的になった。6月28日にポズナニで待遇改善を要求する労働者のデモが警官隊と衝突、デモ隊は監獄や保安警察を襲撃した。政府は軍隊を投入して暴動を鎮圧したが、公式発表でも死者54人、負傷者300人が出た。事件に対して当時のソ連は外国の陰謀による反革命との評価を下したが、ポーランドのオハプ政権は社会的矛盾の結果だとの態度を示し、そのことが10月に同国でのハンガリーと違った平和的政変につながった。
[木戸 蓊]