保安警察(読み)ホアンケイサツ

デジタル大辞泉 「保安警察」の意味・読み・例文・類語

ほあん‐けいさつ【保安警察】

警察活動うち、社会公共の安全と秩序維持目的とする活動。→行政警察

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精選版 日本国語大辞典 「保安警察」の意味・読み・例文・類語

ほあん‐けいさつ【保安警察】

  1. 〘 名詞 〙 国家社会安寧・秩序の維持を目的とする警察。治安警察。〔現代大辞典(1922)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「保安警察」の意味・わかりやすい解説

保安警察 (ほあんけいさつ)

一般的な社会公共の秩序の維持を目的とする警察作用行政目的を達成するために行われる点で広義の行政警察に属するが,狭義の行政警察(経済警察衛生警察等)が他の行政作用に付随して行われるものであるのに対して,保安警察は社会公共の安全と秩序を保持するために,他の種類の行政作用を伴わず,独立に行われるものである。具体的には,言論出版集会結社等の取締りに関する警察をはじめ,危険物の取締りに関する警察(危険物警察),風俗の取締りに関する警察(風俗警察),生活環境の保全に関する警察(環境警察),営業の取締りに関する警察(営業警察)等がこれに含まれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保安警察」の意味・わかりやすい解説

保安警察
ほあんけいさつ

公共の安全と秩序を維持するために,一般統治権に基づいて,人の自然の自由を制限する作用 (行政法学上の警察) のうち,他の行政と関連なく,それ自体が独立して行われるもの。産業,建築,衛生などの分野における警察上の義務違反に対処するための狭義の行政警察と区別される。集会結社または多衆運動に関する警察,言論出版に関する警察,風俗に関する警察,宗教に関する警察などがこれに属する。現行憲法下では,表現の自由に対する規制などについて,保安警察はきびしい規制を受けている。

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百科事典マイペディア 「保安警察」の意味・わかりやすい解説

保安警察【ほあんけいさつ】

一般的に社会公共の安全と秩序の維持を目的とする警察活動。狭義の行政警察に対する観念。個々の行政作用と関係なく,集会・結社・選挙・風俗の取締り等の公共の安全に対する障害や危険の予防と除去に当たる。

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世界大百科事典(旧版)内の保安警察の言及

【警察】より

…司法警察とは,犯罪の捜査,被疑者の逮捕などのような刑事司法権の補助的作用としての警察をいい,行政警察とは,行政上の目的を達成するために行われる警察をいうのである。 行政警察はさらに狭義の行政警察と保安警察に分類して説明される。保安警察とは,他の領域の行政作用と関係なしにそれ自身独立の作用として行われる警察をいい,例えば,風俗警察,言論出版に関する警察などがそれにあたる。…

※「保安警察」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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