ポックスウイルス科に属するウイルスの一群。2本鎖DNA(デオキシリボ核酸)をもち、外部に多重のタンパク質からなるコート(外皮)があって、1~2個のラテラルボディ(側体)と内部にゲノムをもつコアを包んでいる大形(約200×300ナノメートル。1ナノメートルは10億分の1メートル)のれんが型ウイルス。宿主(しゅくしゅ)(ウイルスの寄生対象となる生物)の原形質内で増生(増殖)するDNAウイルスである。ビリオン(細胞外で感染性を有するウイルス粒子)内にDNA依存性やRNAポリメラーゼ(DNA依存性RNAポリメラーゼ。DNA鋳型からのRNA=リボ核酸形成を触媒する酵素。RNA依存性の場合もある)をもっている。ポックスウイルスは、NP抗原(ウイルスの核酸から抽出される水溶性抗原)に共通抗原をもつ次の八つのウイルス属よりなる。すなわち、オルトポックスウイルスOrthopoxvirus、アビポックスウイルスAvipoxvirus、レポリポックスウイルスLeporipoxvirus、カプリポックスウイルスCapripoxvirus、パラポックスウイルスParapoxvirus、スイポックスウイルスSuipoxvirus、モルシポックスウイルスMolluscipoxvirus、ヤタポックスウイルスYatapoxvirusである。このなかではオルトポックスウイルス属に含まれる痘瘡(とうそう)ウイルス(天然痘ウイルス)がもっともよく知られている。
[曽根田正己]
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...