ポルポラ(読み)ぽるぽら(その他表記)Nicola Antonio Porpora

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポルポラ」の意味・わかりやすい解説

ポルポラ
ぽるぽら
Nicola Antonio Porpora
(1686―1768)

イタリアの作曲家、声楽教師。8月17日ナポリの本屋の息子として生まれる。同地の音楽院で学んだのち、1708年に最初オペラ『アグリッピーナ』がナポリの宮廷上演され、多彩な経歴が始まる。初めナポリ駐在のヘッセン・ダルムシュタット公使とポルトガル大使の楽長を務め、ナポリとウィーンでオペラを上演している。19年ナポリで上演したセレナータアンジェリカ』は、18世紀最大のオペラ台本作家メタスタージオと、後の人気カストラート、ファリネリのデビュー作となった。ローマミラノベネチアで活躍したのち、33~36年ロンドンに招かれるが、37~47年はベネチア、ナポリの音楽院楽長を務める。48~51年のドレスデン時代を経て、52年からはウィーンに滞在して若きハイドンを教えた。60年には故郷ナポリに戻ったが、68年3月3日貧しい晩年を終えた。

樋口隆一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポルポラ」の意味・わかりやすい解説

ポルポラ
Porpora, Nicola Antonio

[生]1686.8.17. ナポリ
[没]1768.3.3. ナポリ
イタリアの作曲家,声楽教師。ナポリのディ・ポベリ音楽院で学び,1708年に最初のオペラ『アグリッピーナ』を上演。 26年ベネチアで音楽教師となり,33年にはロンドンでヘンデルと競い,キング劇場などの専属作曲家として5つのオペラを作曲。ベネチア,ナポリ,ドレスデンなどで音楽教師をつとめ,48年ドレスデンの楽長となったが,51年その地位を J.ハッセに奪われて,ウィーンに去った。 58年ナポリに戻ったが,貧困のうちに死んだ。ほかにオペラ 44曲,オラトリオ 11曲などがある。

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