ドイツの数学者。カッセルの生まれ。ハレ大学、ゲッティンゲン大学、ベルリン大学などの教授を経て、1950年ハンブルク大学教授。代数学の研究で知られ、ネーターを中心とするドイツの学派で活躍し、とりわけ19世紀末以来、デーデキントやヒルベルトらによって創始された代数学の公理化の方向を、強力に推進した。類体論の整理や代数関数論、整数論の分野での業績が著しい。
[藤村 淳]
ドイツの数学者。ゲッティンゲン大学,マールブルク大学に学び,マールブルク大学教授を経て,1934年にはゲッティンゲン大学の教授になり,その後,ベルリン大学,ハンブルク大学の教授を勤めた。マールブルク大学で,p進数の創始者であるヘンゼルK.Hensel(1861-1941)の下で学んだハッセは,p進数の研究を進め,多くの応用を見いだして,p進数が整数論において重要な方法であることを示した。その一つとして,有理数係数の二次形式によってある有理数が表されるための条件は,すべてのp進数体と実数体上で表されることであるという事実を示した。このように代数体上の現象で,その局所化された体(有理数体ではp進数体と実数体)上の条件で定まるものが多く存在することを見いだしたが,これはハッセの原理と呼ばれている。また局所体上の類体論を構成するなど類体論への貢献も大きい。
執筆者:斎藤 裕
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