日本大百科全書(ニッポニカ) 「マケール」の意味・わかりやすい解説
マケール
まけーる
Pierre Joseph Macquer
(1718―1784)
フランスの化学者。パリに生まれる。1742年医学博士の学位を得て医療に従事したが、ルエルG. F. Rouelle(1703―1770)に学んで化学を研究し、1771年王立植物園の化学の教授となった。初期にはヒ素化合物の研究などを行ったが、実験家としてより、わかりやすい化学の教科書『理論化学入門』(1749)、『実用化学入門』(1751)や『化学辞典』Dictionnaire de chymie(1766)の執筆者として知られる。これらはフロギストン説(燃素説)で書かれており、一般にはラボアジエがフロギストン説を明確に否定した1783年以後もフロギストン説を支持したとされるが、死の直前には反フロギストンに傾いていたといわれる。
[道家達將]