マニプリ(英語表記)Manipuri

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マニプリ」の意味・わかりやすい解説

マニプリ
Manipuri

インドの舞踊。 18世紀マニプルのバギャチャンドラ王が,クリシュナ神の偉大さをたたえるために創作した。クリシュナ神話を題材として,満月の晩にヒンドゥー寺院内で演じられる。森の中のクリシュナと永遠の恋人ラーダーの密会の場面クンジャ・ラサ,クリシュナとラーダーが春の到来を喜ぶバサンタ・ラサ,クリシュナと牛飼いの輪踊りマーハ・ラサなどが知られる。演者は女性のみで,孔雀の羽根の冠,花飾りをつけ,黄色い袴,黒の上衣をつけたクリシュナの軽やかな動きと,筒状の絹のスカートに小さな鏡や宝石をちりばめ,白いレースのベールをかぶったラーダーと牛飼いたちの回転しながら水平に流れる動作や,蓮の花を表現するムードラ (手の表現) を繰返し,かかとをつけずに舞うのが特徴。ビシュヌ派宗教詩人の詩歌が流れ,プーン (太鼓) ,竹笛,シンバル,エスラジ (擦弦楽器) がやわらかい音楽を奏でる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android