マルトゲムシ(読み)まるとげむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルトゲムシ」の意味・わかりやすい解説

マルトゲムシ
まるとげむし / 円刺虫

昆虫甲虫目マルトゲムシ科Byrrhidaeに属する昆虫の総称。世界各地に分布するが、種数は約300、日本には約15種が産する。体長1~10ミリ。体は卵形、ときには半球形に近く、背部は強く膨らみ、体表には先太の刺毛や直立毛があったり、横に寝た毛を密布するものが多い。色は普通は黒っぽいが、金属色を帯びることがある。湿った地表コケや草の間あるいは石や倒木の下などにおり、触れると脚(あし)を縮めて死んだまねをする。若木や草の根を害するものもあるという。ダイセツマルトゲムシなど大形の種類はおもに高地石下などで発見され、小形種は草地畑地などでみつかる。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルトゲムシ」の意味・わかりやすい解説

マルトゲムシ
Byrrhidae

甲虫目マルトゲムシ科の昆虫の総称。体長1~10mm程度の小型の甲虫で,背部が丸い卵形をしている。おおむね暗褐色で,体表はなめらかなものもあるが,刺毛や直立毛などをもつものもある。触角,肢とも短く,肢の腿節は平たく幅広い。おもに山地の,石の下やコケの中にすみ,さわると死んだまねをする。マルハナノミ科に近い小さい昆虫群で,日本には約 15種が知られる。ダイセツマルトゲムシ Byrrhus fasciatus daisetsuzanusは体長 7mmほどで,北海道,本州高山の石の下にすむ。

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