ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルーム」の意味・わかりやすい解説
マルーム
Malloum, Félix
チャドの軍人,政治家。フランスとコンゴ (ブラザビル) の軍事学校で学び,1953年からフランス軍の一員としてインドシナ戦争,アルジェリア戦争に参加。 61年チャド国軍に移り,68年大佐に昇進。 71年 12月~72年9月参謀総長,次いで最高司令官,少将に昇進。 73年6月政府に対する陰謀を企てたかどで逮捕,自宅監禁。 75年4月軍部クーデターにより F.トンバルバエ政権が打倒された際に釈放され,最高軍事評議会議長 (国家元首) に就任。チャドは 66年以来チャド民族解放戦線 FROLINATによる北部分離運動に悩まされていたが,マルームは就任後,ただちに解放戦線との和平交渉を試みて失敗。 78年8月 30日,解放戦線の H.アブレ議長を首相に任命,みずからは大統領となり,初の南北連合政府を樹立した。 79年2月に崩壊。周辺諸国の仲介により3月 15日平和協定が調印され内戦は終結したが,マルームは辞任し,解放戦線の司令官 O.グクーニが大統領に就任した。
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