日本大百科全書(ニッポニカ) 「みたらしだんご」の意味・わかりやすい解説
みたらしだんご
みたらしだんご / 御手洗団子
京都名物の団子。京都市左京区の賀茂御祖(かもみおや)神社の葵祭(あおいまつり)や御手洗祭などに、氏子の家庭でつくられた。のちには境内の茶店で商われるようになった。本来は神饌(しんせん)菓子で、伝承によると後醍醐(ごだいご)天皇が賀茂御祖社のみたらし池で水をすくったところ、泡が一つ浮き、やや間をおいて四つの泡が浮き上がった。その泡を団子に見立ててつくったといわれ、故事に倣い指頭大の団子を竹串(ぐし)の先に一つ、間を置いて四連にして挿す。初めはしょうゆのつけ焼きだったが、いまは葛餡(くずあん)かけである。岐阜県飛騨(ひだ)高山の名物にも、しょうゆのつけ焼きでこの団子があるが、「みだらし」という。近畿、愛知、岐阜では、焼き団子、串団子の意に用いられる。
[沢 史生]