岩石学辞典 「メラファイア」の解説 メラファイア この名称は,暗色で斑状で通常玄武岩質の岩石をウェルナー(Werner)がTrapporhyrとしたものである.ブロニアールによって命名された塩基性火成岩の一種で,暗黒色の輝緑岩,玄武岩,安山岩,ポーフィライトなどの塩基性火成岩の総称であったと思われる[Brongniart : 1813].melosは黒色の意味.その後多くの定義がなされ,ツィルケルは第三紀以前の斑状でしばしば杏仁状を示す岩石で,斜長石とオージャイトからなるものに用いた[Zirkel : 1866].ローゼンブッシュはメラファイアを黒色ポーフィライトとして,斑状の玄武岩(ときに橄欖(かんらん)石)が多量の赤鉄鉱を含み暗色を示すようになったもので,特に石炭紀または二畳紀に属するものとした[Rosenbusch : 1877].この岩石名は一般には英国や米国では用いられていないが,ホルムスはメラファイアは玄武岩,安山岩が変化し,あるいは杏仁状構造を示すものと定義した[Holmes : 1920].ブレガーは平均のものよりも鉄マグネシウム鉱物を多量に含む異常な岩石に優黒岩の語を用いており,これは非常に範囲の広い岩石の総称であり,メラファイアはその一部で特に塩基性岩中で著しく有色鉱物に富んでいるものを意味すると考えた.一方暗灰色の脈岩にランプロファイアがあるが,これは長石以外に黒雲母とは角閃石のいずれか一種を多量に含んでいることが特徴である[Gümbel : 1874]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報