ランプロファイア(読み)らんぷろふぁいあ(英語表記)lamprophyre

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランプロファイア」の意味・わかりやすい解説

ランプロファイア
らんぷろふぁいあ
lamprophyre

有色鉱物に富み、肉眼的に暗色な脈岩。煌斑岩(こうはんがん)ともいう。一般に斑状で、黒雲母(くろうんも)、角閃(かくせん)石、輝石などの自形の斑晶(はんしょう)を含む。一方、長石類はあまり含まれない。したがって、ランプロファイアの多くは苦鉄質ないし超苦鉄質である。含まれる有色鉱物と長石の種類によって、次のように大別される。(1)ミネット(黒雲母正長石)、ケルザンタイト(黒雲母と斜長石)、アルノアイト(黒雲母に富み、長石を欠く)。(2)フォゲサイト(角閃石と正長石)、スペサルタイト(角閃石と斜長石)。(3)キャンプトナイト(アルカリ輝石またはアルカリ角閃石と斜長石)、モンチカイト(アルカリ輝石またはアルカリ角閃石。長石を欠く)。

 ランプロファイアは、花崗(かこう)岩や閃長岩の貫入岩体に伴う岩脈として産するが、これらの普通の火成岩に比べて、シリカSiO2に乏しいわりにはアルカリNa2O,K2Oに富み、またCO2やH2Oにも富むなど、特異な性質をもっている。ランプロファイアを形成するマグマの成因は、まだよくわかっていない。

[橋本光男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランプロファイア」の意味・わかりやすい解説

ランプロファイア
lamprophyre

煌斑岩 (こうはんがん) ともいう。暗色斑状,自形組織を有する完晶質脈岩総称。斑晶は雲母,輝石,角閃石などの有色鉱物に限られ,石基は主として長石類によって構成される。一般に二酸化炭素,硫黄,リン,水に富み,炭酸塩鉱物,硫化鉱物,リン酸塩鉱物 (リン灰石) ,含水鉱物 (緑泥石,沸石類など) を含む。主構成鉱物の種類により,ミネット (黒雲母,正長石) ,ケルサンタイト (黒雲母,斜長石) ,フォーゲサイト (普通輝石,普通角閃石,正長石) ,スペッサルタイト (普通輝石,普通角閃石,斜長石) ,カンプトナイト (アルカリ輝石,アルカリ角閃石,斜長石) などに分類されている。種々の火成岩,特に花崗岩ないし閃長岩中に産することが多い。一般に揮発成分に富む玄武岩質マグマ起源の貫入岩脈であり,その成分の少くとも一部は母岩に由来すると考えられている。ギリシア語の lampros (きらめく) にちなんで命名された。

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岩石学辞典 「ランプロファイア」の解説

ランプロファイア

煌斑岩

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