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角閃石 かくせんせきamphibole

翻訳|amphibole

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

角閃石
かくせんせき
amphibole

角閃石族鉱物の総称。 X2~3Y5Z8O22(OH,F)2 。X=カルシウム,ナトリウム,マンガン,鉄,マグネシウム。Y=鉄 (II) ,マグネシウム,鉄 (III) ,アルミニウム。Z=ケイ素,アルミニウム,の組成をもつ。 SiO4 四面体が頂点を共有し,2列に結合した構造がC軸に平行に伸びている。柱状結晶,柱に平行な2方向に劈開完全,硬度 5.5~6,比重3~3.5。結晶構造から単斜角閃石と斜方角閃石に,組成的にX=マグネシウム,鉄 (II) の直閃石,カミントン石グループ,X=カルシウムのカルシウム角閃石グループ,X=ナトリウムのアルカリ角閃石グループに分類される。ホルンブレンド hornblendeは広義には角閃石と同義語,狭義には普通角閃石と同義語。酸性火成岩変成岩の重要な造岩鉱物の一つ。

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デジタル大辞泉の解説

かくせん‐せき【角×閃石】

ナトリウムカルシウムマグネシウムアルミニウムなどを含み、組成が変化に富む珪酸塩(けいさんえん)鉱物単斜晶系または斜方晶系透閃石直閃石緑閃石など多くの種類がある。
普通角閃石のこと。カルシウムナトリウムなどを含む珪酸塩鉱物。緑黒色の長柱状で、横断面は菱形。単斜晶系火成岩変成岩の重要な造岩鉱物。ホルンブレンド。

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大辞林 第三版の解説

かくせんせき【角閃石】

直閃石・透閃石・陽起石・普通角閃石・藍閃石などの鉱物の総称。角閃石類。
普通角閃石のこと。カルシウム・マグネシウム・アルミニウムなどを含む複雑なケイ酸塩鉱物。単斜晶系。暗灰緑色ないし灰褐色で、柱状を呈し、劈開へきかいが発達している。ホルンブレンド。火成岩や変成岩の造岩鉱物。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

角閃石
かくせんせき
amphibole

重要な造岩鉱物の一群で、100種類以上知られている。日本で産出するのは約30種類である。苦土直閃石、直閃石、プロト直閃石、鉄直閃石、プロト鉄直閃石、プロトマンガン鉄直閃石、苦土礬土(ばんど)直閃石、礬土直閃石、鉄礬土直閃石、苦土リシア閃石、リシア閃石、鉄リシア閃石が斜方晶系(斜方角閃石)に属するが、他はほぼ単斜晶系に属し、一般に柱状、針状、繊維状などを示す。
 角閃石の特徴は、柱と平行に発達する2方向の劈開(へきかい)で、これらのなす角はほぼ124度である。結晶構造の基本は、ケイ素と4個の酸素がつくる四面体が重合して無限に伸びた二重鎖で特徴づけられ、ヒドロキシ基や他の金属イオンは二重鎖を連結するような位置に配列している。このような構造が1方向に伸びやすい形態的特徴や劈開の性質に反映している。角閃石の化学組成はきわめて変化に富み、分類もおもにこれを基礎として行われる。大別すると次の5グループになる。
(1)マグネシウム‐鉄‐マンガン‐リチウム角閃石グループ(例、カミントン閃石)
(2)カルシウム角閃石グループ(例、透閃石)
(3)ナトリウム‐カルシウム角閃石グループ(例、普通角閃石)
(4)ナトリウム角閃石グループ(例、藍(らん)閃石)
(5)ナトリウム‐カルシウム‐マグネシウム‐鉄‐マンガン‐リチウム角閃石グループ(例、オットリニー角閃石)
 角閃石の産状はきわめて多様で、各種火成岩、接触変成岩、広域変成岩の主要構成鉱物ないし副成分鉱物として広く出現する。とくに変成岩中のものは、変成の温度、圧力を推定する手掛りとして角閃石が重要視されることがある。産出量の多さに比べて、利用されるのは角閃石石綿として繊維状の透閃石、直閃石、クロス閃石ぐらいのもので、他は工業的には価値に乏しい。また緻密(ちみつ)な透閃石や緑閃石を主とする白色ないし暗緑色の塊は軟玉として装飾用に利用される。角閃石は化学組成がきわめて変化に富み、外観もさまざまなものがあるところから、英名は「紛らわしい」という意味のギリシア語に由来している。[松原 聰]

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