改訂新版 世界大百科事典 「メリケンカルカヤ」の意味・わかりやすい解説
メリケンカルカヤ
Andropogon virginicus L.
日当りのよい草地や鉄道の沿線に見られるイネ科の多年草。北アメリカ東部およびカリフォルニアからメソアメリカにかけて分布し,日本へは1940-41年ころに入って帰化植物となった。叢生(そうせい)して小さな株を作る。茎は高さ50~90cm,上半部でよく枝分れして,葉腋(ようえき)に花序をつける。葉は2列に並び,線形,長さは30cmくらい,幅は2~5mmで,葉の表の基部に向かってまばらに長毛があり,茎の基部を包む葉鞘(ようしよう)は左右から扁平になる。花序は2~4個の白い毛の多い総(ふさ)から成り,各総は長さ2~3cmで,その基部は淡い茶色の葉鞘内に残る。総の軸は左右に屈曲し,長く白い毛に覆われている。無柄小穂は長さ3mmの披針形で,淡黄茶色,長さ1~2cmの細い芒(のぎ)があり,有柄小穂は穂体が退化して,白い長毛のある柄のみが残り,無柄小穂により添って立つ。
執筆者:小山 鐵夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報