メルラーナ街の惨劇(読み)メルラーナがいのさんげき(その他表記)Quer pasticciaccio brutto de via Merulana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルラーナ街の惨劇」の意味・わかりやすい解説

メルラーナ街の惨劇
メルラーナがいのさんげき
Quer pasticciaccio brutto de via Merulana

イタリア小説家カルロ・エミーリオ・ガッダの小説。 1957年刊。ローマのメルラーナ街で起きた殺人事件を1人の刑事が捜査してゆく物語だが,多様なエピソード展開と独特の文体によって,読者は翻弄され,次第に混迷錯綜のうちに導かれ,事件は解決をみないまま終る。ネオレアリズモ文学の行きづまりを打開する形で登場したこの作品は,1960年代前衛文学の先駆として,重要な位置を占めている。

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世界大百科事典(旧版)内のメルラーナ街の惨劇の言及

【ガッダ】より

…デフォルメの文学とも,不条理の文学とも呼びうるその前衛的な作風は,第2次大戦後の資本主義社会発展のなかで,もはやネオレアリズモに飽き足らなくなった若い世代の心をとらえ,いわゆる63年グループを中心とするネオ・アバングアルディアの運動の促進に多大な影響を与えた。代表作に,最初の短編集《哲学者たちの聖母》(1931),従軍体験を綴った《ウディネの城》(1934),〈ミラノ・スケッチ〉の副題をもつ《アダルジーザ》(1944),ガッダの名声を国際的にも高めた長編小説《メルラーナ街の惨劇》(1957)および《悲しみの認識》(1963)等がある。【鷲平 京子】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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