日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
モスクワ国際バレエ・コンクール
もすくわこくさいばれえこんくーる
Moscow International Ballet Competition
モスクワのボリショイ劇場で、4年ごとに開催される国際バレエ・コンクール。プロのバレエ・ダンサーも参加できるコンクールであり、ブルガリアのバルナ国際バレエ・コンクール、アメリカのジャクソン国際バレエ・コンクールと並び三大国際バレエ・コンクールの一つに数えられる。ロシア文化省主催。ボリショイ・バレエ団の芸術監督であった振付家Y・グリゴロービチの提唱により、ソビエト連邦時代の1969年に創設された。
男女それぞれのジュニア部門(14歳以上19歳未満)とシニア部門(19歳以上26歳未満)、振付部門(年齢・性別区分なし)の三部門で審査が行われる。ジュニアおよびシニア部門の選考は第3ラウンドまである。振付部門は創作した作品2作を実際にダンサーに振付けて作品を披露する。ジュニア、シニアそれぞれの部門で、ソロとペア、男女別に金・銀・銅賞が授与され、さらにシニア部門からはグランプリが選ばれる。
受賞者の多くは、バレエ大国としての旧ソ連出身のダンサーが占めていたが、日本からの参加者、受賞者も増えている。初受賞は1977年(昭和52)の越智久美子(おちくみこ)(ジュニア部門銅賞。受賞時は前田久美子)。その後、1993年(平成5)にシニア部門ソロで岩田守弘(いわたもりひろ)(1970― )が初めて金賞を受賞し、2001年(平成13)には倉永美沙(くらながみさ)がジュニア部門金賞を受賞した。
[編集部]