ボリショイ劇場(読み)ぼりしょいげきじょう(英語表記)Большой Театр/Bol'shoy Teatr

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボリショイ劇場」の意味・わかりやすい解説

ボリショイ劇場
ぼりしょいげきじょう
Большой Театр/Bol'shoy Teatr

モスクワにあるロシアの国立劇場の名称。ボリショイは「大」の意。1776年にエカチェリーナ2世の命でつくられたのに始まる。数度の火災による再建を繰り返し、現在の建物は1856年に完成(1958改修)。ラフマニノフ、アントン・ルビンシュテイン、チャイコフスキーらが自作を指揮したこともある、ロシアを代表するオペラバレエの常設劇場で、専属声楽家合唱団、バレエ団、管弦楽団などを擁し、毎年9月から翌年の6月にかけて連日公演を行っている。客席数2150。1969年からはユーリー・シモノフが首席指揮者を務めた。付属のバレエ学校もあり、バレエ界に逸材を送り続けている。大改修のためしばらく閉鎖されていたが、ソ連解体後は財政危機のなかにありながらも、充実した公演を続けている。

[美山良夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボリショイ劇場」の意味・わかりやすい解説

ボリショイ劇場
ボリショイげきじょう
Bolshoi Teatr

ロシア,モスクワにある劇場。大劇場を意味し,名実ともにロシア最大,最高の劇場で,オペラおよびバレエ劇場として世界的に有名。 1780年に建設され,初めペトロフスキー劇場と呼ばれた。 1805年火災にあったのち帝室劇場となり,25年再建の際にボリショイの名が冠せられた。 53年に再び焼失し,現在の建物は 56年に建築家 A.カボスの手によって完成されたもの。オーケストラ,合唱団・歌手,バレエ団,制作部など総勢約 3000人で構成されている。座席数約 2100。

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