日本大百科全書(ニッポニカ) 「モチュリスキー」の意味・わかりやすい解説
モチュリスキー
もちゅりすきー
Константин Васильевич Мочульский/Konstantin Vasil'evich Mochul'skiy
(1892―1948)
ロシアの文芸批評家。オデッサ(現、オデーサ)の大学教授の家庭に生まれる。ペテルブルグ大学文学部卒業。1919年ロシアを去り、ソフィア大学の講壇に立つ。1922年からパリに移りジャーナリズム活動。1920年代末正教に帰依。のちマーチ・マリヤ(スコプツォーワ)の主宰する社会宗教団体「正教の事業」に協力、1943~1945年をナチスの収容所で過ごし結核を病む。著書はいずれも文学者、哲学者の評伝の形をとり、ゴーゴリ(1934)、ソロビヨフ(1936)、ドストエフスキー(1942)のほか、ブローク(1948)らロシア象徴派詩人を扱う。いずれも確かな審美眼と深い心理的・宗教的洞察の結び付いた著作である。
[青山太郎]