もて付く(読み)モテツク

デジタル大辞泉 「もて付く」の意味・読み・例文・類語

もて‐つ・く【もて付く】

[動カ下二]
身に備える。
「わが―・けたるをつつみなく言ひたるは」〈・一九五〉
気にかけてとりつくろう。装う。
装束有様よりはじめて、目やすく―・けて」〈初音
欠けているところを心にかけて身につける。
「君も少したをやぎ給へる気色、―・け給へり」〈末摘花
相手にする。
「かつてちかづきならぬよし家来にいはせて―・けぬしわざ」〈浮・国花諸士鑑・二二〉

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精選版 日本国語大辞典 「もて付く」の意味・読み・例文・類語

もて‐つ・く【もて付】

  1. 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「もて」は接頭語 )
  2. 備える。もともと身につける。
    1. [初出の実例]「我がもてつけたるをつつみなくいひたるは、あさましきわざなり」(出典:枕草子(10C終)一九五)
  3. 欠けているものを、たしなんで身につける。
    1. [初出の実例]「君も少したをやぎ給へる気色、もてつけ給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
  4. 気にかけてとりつくろう。身だしなみを整える。
    1. [初出の実例]「装束、有様よりはじめて、目やすくもてつけて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)初音)
  5. 相手にする。あしらう。
    1. [初出の実例]「かつてちかづきならぬよしを家来にいはせてもてつけぬしわざ」(出典:浮世草子・国花諸士鑑(1714)二)

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