モラーレス

百科事典マイペディア 「モラーレス」の意味・わかりやすい解説

モラーレス

スペインの作曲家。セビリア生れ。1535年−1545年ローマ教皇庁で聖歌隊員を務め,ミサ曲などを出版して名声確立。その後スペインへ戻り,マラガ大聖堂などで聖歌隊長を歴任。作品のほとんどは宗教的合唱曲で,フランドル楽派から受け継いだ高度なポリフォニー技法の中に,深い感情表現が刻まれている。モラーレスがその礎を築いたスペインの教会多声音楽は,ゲレーロビクトリアへと引き継がれ,フランドル出身のカルロス1世(カール5世)とその息子フェリペ2世治下(1556年−1598年),スペイン音楽の〈黄金世紀〉が誕生することになる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「モラーレス」の意味・わかりやすい解説

モラーレス
Luis de Morales
生没年:1509?-86

スペイン・マニエリスムの宗教画家。バダホスに生まれ,同市で没した。彼の,フランドル絵画とイタリア絵画に通じた様式からみて,その画風ポルトガルもしくはセビリャで形成されたと思われる。スペインにおける〈エッケ・ホモ〉と〈ピエタ〉の図像の決定者の一人。その深い宗教性ゆえに〈聖なるモラーレス〉と称され,各地の教会に数多くの祭壇衝立画を描いた。それらは美術館ではなく元の場所に残っているものが多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android