ユニバーサルモーター(読み)ゆにばーさるもーたー(その他表記)universal motor

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユニバーサルモーター」の意味・わかりやすい解説

ユニバーサルモーター
ゆにばーさるもーたー
universal motor

小容量の直巻(ちょくまき)直流電動機で、交流、直流のいずれの電源でも使用できるもの。とくに交流で使う場合、交流整流子機とよぶ。交流整流子機は毎分1万回転以上の高速回転が容易に得られる特長を生かして、ミシン電気ドリル、掃除機などに使われる。直巻機なので、交流を加えたときでも、電機子電流が正および負に変わっても、界磁の極性も電機子電流に同期して反転し、発生するトルク(回転力)はつねに同じ向きとなり、継続して運転できる。しかし磁極鉄心や継鉄部の渦電流による損失が大きいので直流機と異なり、これらを積層鉄心にして、渦電流を少なくしておく必要がある。ユニバーサルモーターの特性は、直巻直流電動機と同様に低速時にトルクが大きく、高速時に小さい。毎分1万回転という高速度も得ることができる。交流、直流いずれの電源で運転してもほぼ同じような特性となる。

[磯部直吉・森本雅之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のユニバーサルモーターの言及

【電動機】より


[単相直巻整流子電動機]
 直流直巻電動機と同様な構造の電動機であるが,設計上交流で使用できるように配慮してつくられる。この電動機は直流および交流の両方で使用できるので,交直両用電動機,またはユニバーサルモーターとも呼ばれる。直流直巻電動機と同様に,負荷電流によって速度が大幅に変わる。…

※「ユニバーサルモーター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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