渦電流(読み)うずでんりゅう(英語表記)eddy current

  • うずでんりゅう うづデンリウ
  • うずでんりゅう〔うづデンリウ〕
  • かでんりゅう
  • かでんりゅう〔クワデンリウ〕
  • 渦電流 eddy current

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電磁誘導により導体内部に生じる渦状電流。 J.-B.-L.フーコーが発見したので,フーコー電流ともいう。ある閉ループ内の磁束が時間的に変化すると,閉ループに沿って電磁誘導により電場が生じる。閉ループが導体内であれば,それに沿って同心円状に電流が流れる。これを渦電流と呼ぶ。この渦電流はジュール熱を発生し,電磁エネルギーの損失が起る。これを渦電流損といい,変圧器などの電気機器においては薄い鉄板を互いに絶縁して重ね,これを防いでいる。渦電流は円板状などの導体が静止磁場中を移動するときにも導体中に現れる。この場合,渦電流によるエネルギー損失は導体の運動エネルギーを減少させるので,制動装置に利用される。

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百科事典マイペディアの解説

導体にかかる磁場が変化するとき(導体が磁場内を動くときも同じ)電磁誘導によって導体内に生じ,磁場に垂直に渦形に流れる電流。この電流が導体内にジュール熱を発生するため,電磁エネルギーの一部が熱エネルギーとして消費される(渦電流損失)。逆に,この熱を高周波炉に利用する。また渦電流の発生により導体の運動を妨げる(アラゴーの円板)ので制動装置に利用される。発見者の名からフーコー電流ともいう。近年,渦電流によるジュール熱を利用した誘導加熱や,金属材料の非破壊的探傷法など,渦電流の応用面が広まっている。
→関連項目アラゴークラッチ電力量計非破壊検査フーコー誘導加熱

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世界大百科事典 第2版の解説

電気伝導体に対して,それを貫く磁力線が相対的に運動するとき,導体の中に生ずる渦状の電流。1824年D.F.J.アラゴーが,回転する円板の上の磁針が振れる現象(アラゴーの回転板と呼ばれている)を発見したのが初めで,この現象はその後M.ファラデーが発見した電磁誘導法則によって説明された。渦電流によって,強い磁場中で回転する電気伝導体の円板が強い制動力を受けることをJ.B.L.フーコーが実験で示した(1855)ことからフーコー電流とも呼ばれ,この現象は交流の積算電力計電磁ブレーキなどに利用されている。

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大辞林 第三版の解説

導体を通る磁束が変化するとき、電磁誘導によって導体中に流れる渦状の電流。導体の運動を妨げる作用があるので、積算電力計の回転円板の制動や車両のブレーキに利用される。渦動かどう電流。フーコー電流。かでんりゅう。かりゅう。 → レンツの法則
うずでんりゅう渦電流

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

磁界(磁場)の中で導体を動かしたり、変化する磁界の中に導体を置いたとき、導体に発生する渦状の電流。フーコー電流ともいう。に示すように磁石の磁極の間で金属板を動かすと、金属板に渦電流が流れる。図で四辺形ABCDの部分は磁界が金属板を貫く部分である。金属板が動いて磁界の外から磁界の中に入ると、その部分には新たに磁束が貫くことになる。そこで、電磁誘導の法則に従って、この磁束の増加を打ち消すように渦電流が流れる。金属板が磁界の中から外へ出るときにも同様なことがおこる。磁界が渦電流に及ぼす力は、金属板の運動を妨げる向きに働くので、この原理は制動器として利用される。金属板を動かすかわりに磁界の強さを時間的に変化させると、磁界ABCDを囲むように渦電流が流れる。この渦電流の熱作用(ジュール熱)のために、金属板は発熱する。変圧器の鉄芯(しん)の断面ではこのような現象がおこって、変圧器の効率を非常に悪くするため、変圧器の電芯は薄い鉄板を電気的に絶縁して重ね合わせ、渦電流が流れないようにしてある。渦電流の積極的な利用例として金属工業における金属加熱機がある。電磁調理器も渦電流による発熱現象を応用したものである。[山口重雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 磁場の中を動く導体、または変化する磁界の中の導体に、電磁誘導によって生じる渦状の電流。導体の運動を妨げる方向に流れる。ジュール熱が発生し、鉄損や電気器具の過熱の原因になる。これを利用したものに積算電力計、高周波炉などがある。一八五五年、フランスのフーコーが発見した。フーコー電流。

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