ユミル(その他表記)Ymir

翻訳|Ymir

デジタル大辞泉 「ユミル」の意味・読み・例文・類語

ユミル(Ymir)

土星の第19衛星。2000年に発見。名の由来北欧神話巨人。非球形で平均直径は約16キロ。イミル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のユミルの言及

【海】より

海神創世神話【吉田 敦彦】 海についての伝説,禁忌も数多くある。エッダによるとボルの息子らが,殺された巨人ユミルの血から海をつくったといい,フランスの海岸地方では,神がそれぞれの島にパラダイスから水滴を運ばせてつくったといい,あるいは悪魔が神の仕事を邪魔するために海をつくったともいい伝えている。神が水ばちと3粒の塩から海をつくり,太陽がかつて地上に降り聖者を小便によって追い払ったために海ができ,そのために塩辛いとも伝えられる。…

【乳】より

…粘土からつくられたエンキドゥは野獣の乳で育ち勇猛だった(《ギルガメシュ叙事詩》)。北欧神話エッダ中の巨人ユミルは乳牛アウズムラの乳に養われた。ローマ建国の祖でその名を国名に残したロムルス,レムスの双生児は,半獣神ファウヌスの洞穴に住む雌オオカミに拾われてその乳で養育された。…

【髑髏】より

…古代インドの《リグ・ベーダ》の〈プルシャ(原人)の歌〉に,プルシャの頭から天界が形成されたとある。北欧神話では,巨人ユミルの頭蓋骨から天がつくられたとする(《グリームニルの歌》)。頭蓋は宇宙の形に似せて球状につくられているというプラトン(《ティマイオス》)の説は,中世末期以後長く信じられた。…

【肉】より

…バビロニアではベール(バアル)神の首からほとばしる血と土を混ぜ合わせて人がつくられているし,オーストラリア,ニュージーランド,タヒチ,ペルー,アフリカその他においても,粘土や赤土から人間がつくられたとする伝承がある(J.G.フレーザー《旧約聖書のフォークロア》)。一方,北欧神話では逆で,巨人ユミルの肉から大地が生まれている(《グリームニルの歌》)。旧約聖書のアダムの場合は最も直截で,自分の肋骨からつくられたイブを〈骨の骨〉〈肉の肉〉と呼んでいる。…

【北欧神話】より

…奈落の口の北側にはニブルヘイムNiflheimrがあり,そこには氷と霜があって毒液の流れが奈落の口に流れ込んでいる。ムスペルスヘイムからの熱風とニブルヘイムの霜とがぶつかると,霜が溶けて滴り,そのしずくが熱を送る者の力によって生命を得,巨人ユミルYmirが誕生する。このユミルから霜の巨人族Jötunnが由来する。…

【骨】より

…古代中国の天地を分け隔てた巨人盤古が死んだとき,歯や骨から岩石ができた。北欧神話でも巨人ユミルの死後,骨から岩がつくられている。アステカ神話の勇神ケツァルコアトルは地下界ミクトランから男女の骨を探し出し,これを妻にひかせて粉とした後,自分の血を混ぜて人間を創造した。…

※「ユミル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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