普及版 字通 「ヨウ・めぐる・やわらぐ」の読み・字形・画数・意味

10画
[字訓] めぐる・やわらぐ
[説文解字]

[金文]

[字形] 会意
巛(せん)(水)+邑(ゆう)。水をめぐらしたところ。金文の字形は巛(水)+
(宮室の象)+隹(とり)、すなわち
(よう)に作り、辟
(へきよう)(王室の
所)をいう。〔説文〕十一下に「四方に水
り。自ら
(めぐ)りて池を
す
なり」とするが、
は辟
の
の初文。水辺に時を定めて飛来する鳥を、祖霊が帰来するものと考えて、そこに祀所を作って祀った。それがのちの辟
明堂の初形と思われる。辟は璧。円形の池の中央の島に、明堂を建てた。西周の昭穆期の彝器に辟
の名がみえ、そのころ辟
の制が定まったのであろう。[訓義]
1. みずめぐる、水がたまる、自然の池。
2. 壅と通じ、ふさぐ。
3. 雍と通じ、やわらぐ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕
ヤハラグ・ヤハラカニ 〔字鏡〕
ウルハシ・ユタカナリ・トトノホル・ヤハラカナリ[声系]
〔説文〕に邑声として
を収め、また
声の字として廱・
・癰など六字を収める。廱腫(ようしよう)の意をもつ字が多いのは、神殿を営むところが、もと水が壅塞(ようそく)して池となったような地形のところで、
はもと壅塞の意をもつ字であろう。[語系]
・廱・癰・壅・
・擁iongは同声。癰腫・壅閉の意をもつ語が多い。水流がたまって池となったところに水鳥が飛来し、霊池・霊沼として、そこに祖霊を迎える神殿を作って辟
という。雍iongも同声で通用し、和悦の意に用いる。[熟語]
熙▶・
滞▶・
睦▶・
穆▶・
容▶・
▶出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

