ヨロイゴケ(鎧苔)
ヨロイゴケ
Sticta
ヨロイゴケ属の葉状地衣類。この属には約 100種ある。日本に産するテリハヨロイゴケ S. platyphyllaを一例にあげれば,中型またはやや大型の葉状で,樹皮上に生え,裂片は丸みを帯びる。表面は平滑でやや光沢をもっている。したがって針芽や粉芽はできない。裏面には暗褐色か黒褐色の毛茸 (もうじょう) と称する突起が密生している。表裂片の縁や地衣体の表面には径1~4mmで円盤状の子器が散生する。円盤状部は赤褐色で光沢をもち,この部に子実層が形成される。本種は北海道,本州にみられ,サハリン,中国,インド,アフリカに分布する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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ヨロイゴケ
よろいごけ
地衣類ヨロイゴケ科ヨロイゴケ属Stictaの総称。中形から大形の葉状地衣で、山地のやや湿った岩上や樹幹に生え、表面は灰青色から黄褐色を呈するが、乾燥すると色が変わることが多い。ヨロイゴケ属に含まれるアツバヨロイゴケS. wrightiiはブナ帯付近に多く、地衣体は黄褐色で、多くの裂片に分かれる。エツキセンスゴケS. gracilisは低山帯の湿った岩上に多く、地衣体はやや直立したように立ち上がり、表面は灰青色、裏面は黄褐色をしている。
[井上 浩]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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