日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨンメッリ」の意味・わかりやすい解説
ヨンメッリ
よんめっり
Niccolò Jommelli
(1714―1774)
18世紀イタリア、ナポリ派の作曲家。オペラと宗教音楽が重要。歌手中心だったオペラに、ドイツ音楽の複雑な構造とフランス音楽の装飾性、さらにイタリア音楽の華麗さを加味し、管弦楽の価値を高め、またドイツのマンハイム楽派にも多大な影響を与えた。9月10日アベルサに生まれ、同地で初等教育を受けたのち、1725年からナポリで学び、ハッセやレオらナポリのオペラ作曲家の強い影響を受けた。40年にはローマ、翌41年にはボローニャに出てG・B・マルティーニ神父に対位法を学び、同地のアカデミア・フィラルモニカの会員に選ばれた。43年にはハッセの推薦でベネチアのインクラービリ音楽院の音楽監督になっている。47年にはローマに向かい、49年にはバチカンの副楽長となり、同年ウィーンに進出してからは台本作家メタスタージオと交わり、彼の台本によるオペラを上演している。53~69年のシュトゥットガルト宮廷楽長時代が彼の絶頂期である。晩年はナポリに戻り、74年には聖週間に名作『ミゼレレ』を発表した直後、8月25日に世を去った。
[樋口隆一]