化学辞典 第2版 「ラウダニジン」の解説
ラウダニジン
ラウダニジン
laudanidine
C20H25NO4(343.42).アヘン中のアルカロイドの一つ.パパベリン類似のベンジルイソキノリン誘導体で,不斉炭素を有するが,ラセミ体としてモルヒネ抽出母液より単離される.無色の柱状晶.融点166 ℃.1.26,λmax 284 nm(log ε 3.78).ベンゼン,クロロホルムに可溶,エーテルに微溶,水に難溶.濃硫酸により赤紫色を呈する.強直性けいれん作用を有し,大量では麻ひする.このほか,微量成分として,さらにO-メチル化された光学活性((S)-体)なラウダノシン(laudanosine)が知られている.C21H27NO4(357.45).融点89 ℃.+106°(エタノール).有機溶媒に可溶,水に不溶.苦味を有し,わずかに鎮痛作用がある.ラウダニジンの光学活性体も種々の植物から見いだされている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報