パパベリン

化学辞典 第2版 「パパベリン」の解説

パパベリン
パパベリン
papaverine

6,7-dimethoxy-1-(3,4-dimethoxybezyl)isoquinolien.C20H21NO4(339.39).アヘン中に0.8~1.0% 存在するアヘンアルカロイドの一つ.典型的なベンジルイソキノリンアルカロイドで,現在は合成により得られる.柱状晶.融点147 ℃.モルヒネより麻酔作用は弱く,平滑筋,とくに血管筋を弛緩させる.塩酸塩は,融点220~225 ℃.鎮けい薬,血管収縮剤として用いる.LD50 650 mg/kg(マウス経口).[CAS 58-74-2][CAS 61-25-6:塩酸塩]

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百科事典マイペディア 「パパベリン」の意味・わかりやすい解説

パパベリン

化学式はC2(/0)H21O4N。アヘンアルカロイドの一つ。モルヒネに比べて中枢作用,麻酔作用は弱いが平滑筋弛緩(しかん)作用がある。鎮痛・鎮痙(ちんけい)剤として塩酸塩を内臓平滑筋のけいれんによる嘔吐(おうと),喘息(ぜんそく),便秘などや,血栓(けっせん),皮膚紅痛症などに適用。劇薬
→関連項目アヘン(阿片)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パパベリン」の意味・わかりやすい解説

パパベリン
papaverine

C20H21NO4 。アヘンアルカロイドの一種アルコールエーテル可溶。水に不溶。クロロホルム石油エーテルには難溶。塩酸パパベリンとともに平滑筋の弛緩剤,血管拡張剤などとして医薬に用いられる。麻酔作用はなく,習慣性にならない。

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世界大百科事典(旧版)内のパパベリンの言及

【鎮痙薬】より

…アセチルコリンと抑制的に拮抗し,神経の興奮の伝達を遮断し,痙攣をゆるめる。他の一つは平滑筋細胞に直接作用して痙攣を抑える薬物で,向筋肉性鎮痙薬あるいはパパベリンがこの代表的な薬物であることから,パパベリン様作用薬などともいう。副交感神経抑制薬も大量を用いると向筋肉性鎮痙作用を示す。…

※「パパベリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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