旺文社世界史事典 三訂版 の解説
ラテンアメリカ諸国の独立
ラテンアメリカしょこくのどくりつ
1815年ウィーン会議後,スペイン・ポルトガルの復古王朝が再び植民地への圧迫を強めたため,南部におけるサン=マルティン,北部におけるシモン=ボリバルらの活躍で,各植民地は本国政府に反抗してつぎつぎに独立を宣言し,帝政のブラジルのほかは,いずれも共和政を樹立した。1811年にパラグアイ,16年にアルゼンチン,18年にチリ,19年に大コロンビア(コロンビア・ベネズエラ・エクアドル),21年にメキシコ・中央アメリカ連邦・ペルー,22年にブラジル,25年にボリビア,28年にウルグアイが独立。メッテルニヒは神聖同盟を利用して独立に干渉を加えようとしたが,イギリス外相カニングは国内の自由主義の風潮と市場開拓をめざしてこれに協調せず,アメリカ大統領モンローも1823年モンロー教書を発表したため,列国はあいついでラテンアメリカ諸国の独立を承認した。独立後の各国では,植民地生まれの白人(クリオーリョ)の支配が続き,先住民インディオ・メスティーソ(白人と先住民の混血)・黒人はいぜん圧迫された。
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