ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラベアリベロ」の意味・わかりやすい解説
ラベアリベロ
Rabéarivelo, Jean-Joseph
[没]1937.6.22. タナナリブ
マダガスカル現代文学の父とされる詩人。Joseph-Casimir名も使った。おもにフランス語で執筆したが,母語であるマラガシー語による作品もある。仕立屋を営む没落貴族の家庭の一人息子として生まれたが,13歳で学校をやめ,フランス語とスペイン語を独習。出版社で校正をするかたわら自作をマラガシー語で書き,フランス語に翻訳した。母の影響などを受けて詩作にうちこみ,数冊の詩集を出版した。フランス文化に非常な関心を寄せていたが生涯フランスに行く夢は果たせず,病身のうえに麻薬中毒となり,36歳で 3人の子を残し自殺した。作品には伝統に戻ることによって植民地文化への抵抗を試みようとする姿勢がうかがえる。代表作『シルブ』Sylves(1927),『夜からの翻訳』Traduit de la nuit(1935),『詩集』Poèmes(1960),『夢のような』Presque-Songes(1934)。(→アフリカ文学)
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