ランダウ準位(読み)ランダウじゅんい(その他表記)Landau level

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランダウ準位」の意味・わかりやすい解説

ランダウ準位
ランダウじゅんい
Landau level

磁場中で円運動をしている電子の量子化されたエネルギー準位。L.D.ランダウによって取り扱われた。磁場中の電子は,磁場に垂直な面内で円運動をし,そのエネルギー Bn は(n+1/2)ℏωc であり,ωc 間隔のとびとびの値をとる。n は 0を含む正の整数,ℏ はプランク定数h の 1/2π,ωcサイクロトロン振動数である。振動数νの電磁波により n から n+1 のエネルギー準位に遷移するとき,hν=ωcサイクロトロン共鳴が生じる。共鳴の振動数と磁場から,結晶内電子の有効質量が求められる。

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法則の辞典 「ランダウ準位」の解説

ランダウ準位【Landau level】

一様な磁場の存在下,真空中におかれた自由電子は,古典力学的には磁場に直角方向に円運動(サイクロトロン運動),磁場方向には等速直線運動をする.この円運動を量子力学的に扱うと,運動エネルギーは量子化されて離散的な(n+1/2)(h/2π)ωc となる.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のランダウ準位の言及

【ド・ハース=ファン・アルフェン効果】より

…1930年にド・ハースW.J.de Haasとファン・アルフェンP.M.van Alphenが,液体水素を排気して得た14Kの温度において,ビスマスの磁化率が磁場の大きさにつれて振動的に変化することを見いだしたのが最初である。この現象は金属や縮退半導体の伝導電子が,磁場で量子化されて周回軌道を回る準位(ランダウ準位)を作るとき,磁場強度の変化に応じて,ランダウ準位が次々にフェルミ準位を切っていくことに対応して生ずる磁化の変動として理解されている。ある金属について,いろいろの方向に磁場を加えてド・ハース=ファン・アルフェン効果の周期の方向依存性を測定すると,フェルミ面断面極値の大きさと異方性がわかる。…

※「ランダウ準位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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