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有効質量 ゆうこうしつりょうeffective mass

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有効質量
ゆうこうしつりょう
effective mass

結晶内の電子の実効的な質量。結晶内で周期的なポテンシャルの場にある電子のエネルギーはエネルギー帯をつくっているため,外力を受けたときに得る加速度は自由電子と異なる。一般に外力 f が加わっているときの加速度を f/m* と書くと,この m* が有効質量で,普通はテンソルである。エネルギー帯のエネルギーを波数 k の関数とすると,(1/m*αβ=(1/ℏ2)∂2E/∂kαkβ(α,β=xyz)で与えられる。ただし ℏ はディラック定数である。m* はエネルギー帯の上部では負になり,力と反対向きに加速度が生じる。一般に多体系の中でまわりの粒子から相互作用を受けている粒子の運動の記述に有効質量が用いられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうこうしつりょう【有効質量 effective mass】

結晶内の電子の運動をきめる見かけの質量。バンド理論によれば,結晶内の電子は,構成原子からの力を受けるにもかかわらず,真空中の自由な電子と似た運動を行う。ただし,電場磁場などの力による加速の際,通常とは異なる質量をもつもののようにふるまう。これが有効質量で,通常の電子質量mと区別してm*という記号で表す。電子のその他の性質も,多くはこのm*によって支配される。m*の値はサイクロトロン共鳴などの実験によって測定される。

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世界大百科事典内の有効質量の言及

【自由電子】より

…金属の凝集力は実はこうした価電子の自由な運動によって生ずるのである。 バンド理論によれば,価電子は外場に対して有効質量m*をもった自由電子としてふるまい,周期的な格子によっては散乱されない。すなわち,結晶中における電子の波数ベクトルをk,エネルギーバンドの分散を, ε(k)≃ε0+ħ2k2/2m*とすれば(ただしε0はバンド端のエネルギー,ħはプランク定数hを2πで割ったもの),電子の速度vは,によって与えられる。…

※「有効質量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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