改訂新版 世界大百科事典 「リベラル党」の意味・わかりやすい解説
リベラル党 (リベラルとう)
Liberal Party
第2次大戦後に結成されたフィリピンの代表的政党。大戦後,フィリピン政治は,日本占領期の対日協力者をどう扱うかという難問に直面した。ワシントンでコモンウェルスの亡命政権を維持したナショナリスタ党のオスメーニャ大統領は,アメリカ国防省の圧力で対日協力者処罰方針をとらざるをえなかったが,戦後政治の新しい指導者をめざすロハスは,GHQ司令官マッカーサーの後ろ盾を得て対日協力者免罪方針を打ち出し,1945年12月ナショナリスタ党を離党した。彼と同調者は46年1月リベラル党を結成,同年4月の大統領および国会議員選挙に臨んで大勝し,党の地盤を確立した。以後フィリピン政治は,リベラル,ナショナリスタの二大保守政党の手で運営されることになった。両党間には政策的に根本的な違いはなく,政治家たちはその時々の選挙の有利さで,両党間を行き来した。72年の戒厳令で党活動は廃止になった。
執筆者:池端 雪浦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報